-----<Nikon D70s + TAMRON SP AF 90mmF:2.8 MACRO>
香りに誘われて出会った一本の木犀です。
銀木犀というには黄がかっていますし、金木犀の色にしては淡すぎるような感じです。
「白金木犀」なんていうのがあったでしょうか![]()
金木犀が地面を覆うように散り敷くと、運動会を連想していましたが、此の頃はあるおばあさんを思い出すことのほうが多くなりました。
母が鹿児島の病院
に入院していた時のこと、いつもの週末のように会いにいくと、六つ並んだベッドに母とそのおばあさんだけ。
母に言われて、持って行ったお菓子を一つおばあさんにも渡しました。
他の五つのベッドは身の回りの品々や、時間つぶしの手芸用品であふれているのに、そのベッドは手文庫がひとつとコップに挿した金木犀の小枝があるだけ。
「看護婦さんが持ってきてくれましたの」・・嬉しそうにその花を見せてくれました。
もう何度目かの入院になるのだそうで、退院して一人暮らしの家に帰る度、身の回りの道具を処分しているのだそうです。
「いつどうなるかわからないし、嫁いだ娘が寄ってはくれますが、我が身ひとつの処分以上に迷惑をかけてもいけませんから」
「物を持ちませんと病院も我が家も一緒ですのよ・・こうして花一つでもかけがえがない心持で眺められますし」
物欲の強い僕は歳とってもそんな境地にはなれないでしょうが、せめて無駄なものは置かないようにしたいものです。
