封切りして直ぐに観た作品。もう一度観たいと思っていたが、ひと月以上経ってしまった。
原作も知らないし、アニメ映画も観てないけれど、時間経っても心に残っている。
是枝さん、素晴らしい子役を見つけてきたものだ。
七瀬ふうりさん。
将来は「誰も知らない」の柳楽優弥さんのようにイイ役者になる予感がする。
七瀬さんのアップの顔、表情がいい。
七瀬さんの自然なのびのびした演技は、
「ルノワール」の鈴木唯さんを思い出させた。
二人とも同じくらいの年ではなかろうか。
子ども時代から成長して、役者が代わっているのに、同じ子を年数かけて撮ったのかと思ってしまう。
小学校4年から中学1年までを七瀬ふうりと岡田六花。その後は出口夏希と蒔田彩珠に代わって演じているのだが、目鼻立ちも似てるので、そんな感覚にさせる。
子ども時代に4コマ漫画を通じて知り合った2人の友情を描いた作品。
映像がとても美しい。四季ごとの鳥海山、日本海、田んぼ、雪道、白鳥…等々折々の風景、田舎の何気ない自然をこんなにも美しく撮った作品には余りお目にかかれない。
また、映像に合わせた音楽の調和が素晴らしい。
言葉、台詞に頼らず映像で表現したまさに映画らしい作品といえる。
学年新聞に4コマ漫画を連載している小学4年の藤野(七瀬ふうり)は、漫画だけでなくスポーツも得意な人気者。ある日、同級生・京本(岡田六花)の4コマ漫画をみて、彼女の画力に打ちのめされるほど衝撃を受ける。
藤野は対抗意識を燃やし努力すれど京本に追いつけないまま…。
担任の教師(宮藤官九郎)に頼まれ、卒業証書を京本に届けに行く。
初めて対面した京本から、熱烈なファンだと告白される。
「尊敬してます。藤野先生のマンガ大好きです。」
藤野は京本のちゃんちゃんこの背中に大きくサインする。その後雨の中の鼻歌交じりでスキップして帰る姿がいい。
ロケは2月で寒かったらしい。
中学生になった2人(出口夏希、蒔田彩玉)は、東京の雑誌にマンガを持ち込み、編集者に絶賛される。
2人は漫画の道を共に歩むのかと思うのだが、
京本は美大で学ぶと決める。
藤野はある日、TVニュースで美大で学生が暴君に殺された事件を知る。京アニメの事件がモチーフなのだと思うが、理不尽にも京本が犠牲になる。
二人の突然の別れは切なすぎる。
藤野が空手で京本を救うシーンは、京本がまだ生きている…?僕らもそれが現実であることを望んでいた。
大人たちのシーンは抑制を効かせて、2人の関係、存在を邪魔していない。
キャスティングがいいのか。藤野の母親役の野呂佳代さん、編集者役の菅田将暉さん、担任の宮藤官九郎さん…。
ラストでは、藤野がサインした京本のちゃんちゃんこの背中を藤野がルックバック。
過去を振り返り、藤野が京本をかけがえのない友人だったと感じる瞬間だ。
終わったあとの静かな余韻が、不思議な充足感に変わってきた。
是枝さんの映画はいつも誰か死ぬので哀しい。
2026/9/15 16:42








