結局「52ヘルツのクジラたち」の原作はすぐに読んだ。
原作より映画の方が良かった気がした。
キャスティングと演技が良かったからだろうか。
その後も映画は山ほど観ている。
Netflixの2作品は楽しめた。もう二月のことだが。
まず『パヴアーヌ』だ。3人の孤独な男女の交流を描いたヒューマンドラマだ。
ミジョン役コ・アソン、ヨハン役ピョン・ヨハン、この2人は実力派で安定した演技をみせる。
ギョンロク役ムン・サンミン。イケメンながら嫌みなく繊細で影のある青年を見事に演じる。
この3人の組合せがなかなかよろしい。
デパートの地下(駐車場、倉庫)で働く3人、ともども出自や子ども時代のイジメなど複雑な過去をもち少なからず心を病んでいる。
容貌に劣等感を持ち心を閉ざしているが、自分のスタイルをつくり地道に生きているミジョン。
ギョンロクは同じ空気を感じたのか彼女に恋をする。ヨハンの懸命な後押しもあり、ギョンロクの思いがやがて彼女の心に届く。
2人のラブストーリーにちょっと年上のヨハンが絡む。2人の恋愛にはドラマチックな告白もなく劇的な事件も起きない。静かな作品だが、観終えたあとしっとりした不思議な余韻を残してくれる。
センシティブな3人の心の襞を描いているが、深刻にならない軽快さがある。
ルッキズムが蔓延している社会へ問いかけている作品でもある。
物語の中で語られる、「ネイティブ・アメリカンの人々は、馬を走らせている途中でふと立ち止まり、後ろを振り返る」という逸話がなかなかいい。速く進みすぎ自分の魂が追いつくのを待つためだ。
確かに、私たちは急かされるように心を置き去りにしてバタバタと生きていないだろうか。
ハッピーエンドではないが心に残る韓国映画だ。
推しだ。
もう1本が「This is I」だ。

