12月2日にマッチングの結果が出まして、University of Pittsburgh Medical Center(UPMC)の腎臓内科にマッチ致しました。
マッチング期間中にも多くの方にご指導、応援いただき誠にありがとうございました。
色々と自分なりにマッチングについて振り返ってみようと思います。
マッチングの結果に関与する因子は多くあると思いますが、自分が考える要因を考えると以下にまとめられると思います。
重要度は分かりませんので順不同です。
(1)フェローに進む科
(2)CV, PS
(3)LOR
(4)面接
(5)ビザ
(6)USMLE
(1)私がアプライしたのは腎臓内科ですが、腎臓内科はあまり人気のない科として有名です。
内科の中では循環器、呼吸器(Pulm/crit)、消化器などが人気です。NRMPに統計があります。
Table 1を見ていただくとわかるように、Cardsなどはマッチ率ほぼ100%、多くの人がマッチできていない状況である一方、腎臓内科は60%強しか埋まっておりません。
https://mk0nrmp3oyqui6wqfm.kinstacdn.com/wp-content/uploads/2020/02/Results-and-Data-SMS-2020.pdf
裏を返せば、腎臓内科などの競争率が低い科では、よりアカデミックなプログラムにマッチできる可能性が高いと言えます。
(2)CV, PS
レジデンシーではIMGがマッチとpublicationには大きな関係性はなさそうでした(資料p. 11参照)
フェローシップのマッチングにはこのような資料がないので正確なことは分かりませんが、Publicationがあったほうが印象が良いのは間違いなさそうです。
CV上のスペックは
・IMG (J-1 visa)
・MD
・Ph. D candidate
・日本でレジデンシー修了、フェローシップの途中+Ph. D candidate
・Publication: Firstでは原著3, レター1, ケースレポート1. 共著では原著7, レター2
・学会発表:筆頭で9、その他5
といったところでしょうか。
研究はなんとかマッチング前に3つメタ解析を滑り込みでPublishできました。
これはかなり印象が良かったようで、面接でも「とてもproductiveだね」と言ってもらえ、メタ解析に関する質問を結構いただきます。
また日本で大学院に入っていたこと、来年度(乙号ですが)博士号を申請する予定ですので、CV上では"Ph. D candidate"となります。
アメリカでPh. Dを持っているというのはかなりの意味を持つようです。その一方で「論文博士号」という概念がないので「なんでレジデンシーをやりながらPh. Dをとれるの?」と突っ込まれました。それに対する答えを準備して、なんとか乗り切るのに苦心しました。
また大学院にいた際に共著でpublishされた論文がありますので、「基礎もやったんだね」と面接で質問されます。私がファーストで基礎の論文を一つも出せなかったのは心残りですね。
(2つプロジェクトがありましたが、途中で渡米してしまいました)
共著で出した論文は内容を聞かれたらスラスラ答えられるようにしていました。
(3)LOR
私がLORをもらったのは4人でした。最低3通は必要なので、なんとか集めるのに苦労しました。
面接で話を聞くと、どうやらLORがかなり強かったようです。
(個人情報を伏せつつ)メンツを紹介すると
・当院のプログラムディレクター(PD)
・当院の腎臓内科アテンディング(Assistant professor)
・大学病院(当院の親玉)のアテンディング(Associate professor)
・大学病院のPD
3人目のアテンディングは私がメタ解析をやった時のメンターですが、多くの論文を執筆しており、研究者の間ではよく知られている人のようです。
この人の話が必ずと言っていいほど面接で出てきます。
また大学病院のPDからもらえたのは大きかったようです。PDをラストにしてケースレポートをAmerican Journal of Medicineに掲載できたことと、大学病院のElectiveでなんとかいい印象を持ってもらえるよう心を砕きました。
内容もかなりいい風に書いてもらったようでした。
日本からマッチングに参加する際に苦戦する理由の一つに「有名な人からLORを書いてもらえないから」というのはあるなと思います。
(4)面接
上記のファクターは面接に呼んでもらうために重要であります。実際面接でどこを見ているのか、雇う側になったことのない私には推測することしかできませんが、「きちんと受け答えできるか」、「ちゃんと英語を話せるか」、「パッションがあるか」辺りが見られているかと考えています。
(5)ビザ
こればかりは我々外国人が必ず苦労する問題です。
私はJ-1ビザですので、腎臓内科フェローシップでは大きな障壁とはなりませんでした。といいますのも腎臓内科は人気がないので、外国人医師に多分に依存しています。そこでビザに関してはあまりうるさく言われません。
面接で言われるのは「NIHグラントにはアプライできないんだよね。でもASNやNKFなどのグラントもあるから、研究したい場合はサポートするよ」というぐらいでしょうか。あとは「ウェイバー興味ある?」というのもちょくちょく聞かれます。
他の科は調べていないので分かりません。
ただH-1だと話は違ってきます。FREIDAで調べると(また各プログラムのウェブを見ても)多くのプログラムがH-1をサポートしていません。やはりECFMGがスポンサーになってくれるJ-1とは違い、病院がスポンサーとなるH-1は敬遠されやすい傾向にあるのでしょうか。フェローのマッチングでは確実に不利になります。
(6)USMLE
腎臓内科であっても足切りには使われているようです。(某プログラムが僕のアプリケーションでスコアを見落としたようで、「USMLEのスコア教えて」とメール来ました)
恥を忍んでスコアを公表すると、Step 1 231, Step2 CK 231, CS 1st attempt, Step 3 219でした。
私が後悔しているのはこの点であり、やはりUSMLEのスコアが良くなかったなと思います。
後から振り返ればStep 1はもっと効率良い勉強法があったなと思いますし、Step 2 CKは完全に準備不足でした。
逆に言えば私はこの弱点を埋めないといけないと思い、他の要素でカバーできるよう準備を進めました。
全てを終えてから振り返ると「やれることはやった」という一言に尽きます。
USMLEは上記の通り全然パッとしませんが、レジデンシーのときからメタ解析を勉強し、なんとか3つpublishできたのはマッチングにも良い影響を与えたのは勿論、自分の人生で必要な財産、スキルを身につけられました。
とにかくレジデンシー中は「不器用に、でもがむしゃらにやる」ことを目標にしてきました。多くの同僚、先生から「彼はハードワーカーだ」という評判をいただき、それが推薦状にも書かれていたとのことでした。
レジデンシーの3年間がなければUPMCにマッチは有り得ませんでした。お世話になったすべての皆様に心から感謝いたします。
これからABIMの対策、来るフェローシップに向けて少しでも腎臓内科の勉強、引っ越しなどなど、慌ただしい日々が続きますが、毎日毎日に感謝しつつ日々精進してまいります。