登録年:1987年
登録範囲:西海岸のボウネスと東海岸のニューカースル・アポン・タインを結ぶ約120kmの城壁


イギリスとドイツ、それぞれの国に残る防壁が世界遺産として登録されています。
中でも有名なのが、全長120kmを誇るハドリアヌスの長城で、西海岸のボウネスと東海岸のニューカースルを繋ぎます。
五賢帝の一人ハドリアヌスがブリテン・ローマとカレドニア(現スコットランド)とを明確に分断するために建てた防壁ですが、領土を旅するのを好んだハドリアヌスは、領土をこれ以上拡大する必要はないと判断し、城壁の建設しました。 あれほど田舎でありながら、観光の起点となる街カーライルやニュー・カースルからは30分程で行けてしまうという格好のロケーションにあります。一旦ハドリアヌスの長城にたどり着くと一気に2000年前のブリテンに引き戻されたような錯覚に陥ってしまいます。 とにかく周囲に何もなくただっ広い平原が広がっています。 今にも壁の向こうから古代ケルト人が攻め寄せてきそう。 非常に見晴らしが良く、確かに地の果てから敵が責めてきてもこれなら一目瞭然。ここがローマの北端だと思うと感慨深いものがありますが、向こう側のブリトン人にすれば先祖代々暮らしてきた土地を分断する邪魔な障害物でしかなかったでしょう。
 しかし、近郊のヴィンドランダの町は結構立派な町で覇権主義を云々する以前にここにはローマ人とブリトン人、そして彼ら両方の血を引く人々が豊かで平和な生活を営んでいたのだということを実感しました。北にしては珍しいほどの青空のもと、壁に沿ってはるか遠き古代ローマ・ブリテンに思いを馳せながら歩くのは最高の気分でしたが、いきなり、上空で戦闘機がものすごい轟音を立てて幾度も飛びだっていった。おそらく、近くに空軍基地でもあって訓練をしているのでしょう。確かに訓練というものは何もないところで行われるものですが、古代の遺跡と最先端のハイテク機器とのコントラストが何とも不思議な気がしました。



hadrianwall6



hadrianwall5



hadrianwall2



hadrianwall1



登録年:1987年
登録範囲:ドゥオーモ広場に建つ大聖堂、鐘楼、礼拝堂、墓所の4建築


ピサに行った時は残念ながら雨が降っていたので、写真は曇り気味なので申し訳ないです。
ローマ時代、軍港として使われていたピサは11~13世紀に海運都市国家として繁栄しました。
ドゥオーモ広場に建つ1118年完成の大聖堂は、典型的なロマネスク様式でトスカーナ地方の聖堂建築に影響を与えました。
しかし、ピサを世界的に有名にしているのは何と言っても「ピサの斜塔」でしょう。この塔は大聖堂付属の鐘楼で、今でも5度の傾斜を持っています。
着工は1173年で、1185年から傾き始めました。
この塔はガリレオ・ガリレイの重力実験により、科学の発展に寄与しました。



pisa1



pisa3



pisa2


登録年:1982年
登録範囲:フィレンツェのアルノ川を挟む歴史地区


フィレンツェはルネサンス発祥の地。ルネサンスとは「再生」を意味する言葉で、ローマ帝国崩壊後、1000年に及ぶ中世の暗黒の眠りを経て、フィレンツェに花開いた大輪の花でした。ちなみに花の女神フローラの町として、花を意味する古代名フィオレンティーナが語源ですが、その名の由来には歴史的根拠があったわけです。
フィレンツェに残る数々の芸術品や建物を見ていると、陰鬱な中世からきらめくばかりの光の世界へ扉が明け放たれたことへの迸らんばかりの生への喜びを感じ取る事ができますが、サンタ・マリア・デル・フィオーレ-花の聖母教会とてその名の通り、華やいだ印象を人々に与えます。
 
 フィレンツェが歴史の表舞台に出たのは1125年に自治都市としての地位を確立してからの事です。その後毛織物業で莫大な利益を得、それを国王や教会に貸し付ける事で金融業を発展させていきました。その中でも突出していたのがフィレンツェの権力者である銀行家のメディチ家です。独裁的だとの批判もありましたが、メディチ家亡くしてはルネサンスは語れません。メディチ家が他の銀行業者より抜きん出ていた理由は、いち早く貿易中心の事業を金融中心へとシフトしていったからです。そして、有り余る財力を背景に芸術を保護し発展させた。メディチ家の主宰のプラトン・アカデミーからボッティチェリやミケランジェロが出たのはあまりにも有名な話です。メディチ家は所有する美術品を外部に出すことを許さなかったため、芸術の街フィレンツェには美が溢れています。アカデミア美術館のダビデ像、サンタ・マリア・デル・フィオーレ、聖マルコ美術館のフラ・アンジェリコの「受胎告知」、そして、ボッティチェリの『プリマ・ヴェーラ』やレオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』で有名なウフィツィ美術館は世界中の美術愛好家を惹きつけてやみません。



firenze7




firenze4



firenze5




firenze2