先日、東京都千代田区 紀尾井町という、高級な地帯にあるホールで催された『岩崎洸 スペシャルコンサート』に参加させて頂いてきました。プログラム前半は岩崎先生のお仲間や薫陶を受けた生徒によるチェロ・アンサンブル、後半は岩崎先生ソロによるドボルザークのチェロ協奏曲でした。

岩崎洸先生は僕の師匠である安田謙一郎先生と同じく、長く日本チェロ界を引っ張ってこられたレジェンドで、僕が学生の頃はアメリカにお住まいだったので、帰国された時などにレッスンを受けたりして大変お世話になりました。


ところで話しは、いきなり飛びます。

本番当日の駐車場の事についてです。

普段ならチェリストは楽器が大きいので優先的にホールの駐車場に停めさせて頂けるのですが、この日のチェリストは25名!まあ平等に周囲のコインパーキングを利用しましょうという事となりました。


僕は家が遠いので帰りの事を考えると、ついつい車で来てしまいます。紀尾井町で自分のお財布に見合うコインパーキングを見付ける事が至難の業だという事は薄々予想はしていましたが、やはり現実は甘くなく想定以上でした。


路地を走り周るも、どこもかしこも満車、たまに「空」だ!と思って近付くと上限なしの15分400円。

ずっと徘徊しているのに見付からないし、おまけに遅刻しそうになってきたので、こうなったら最後の手段だ。

天井知らずの値段に決まっているけど、この際、もう仕方ないでしょう。

思考ボタンOFF!


そして脇目も振らず僕は『ホテル ニューオータニ』の地下駐車場に滑り込んでいったのでした。


車を停めてホールに駆け付ける途中、駐車場係のおじさんに、ここの駐車場って1万円札使えますか?と尋ねたら(なぜかって駐車料金がもし1万2千円だったら千円札が12枚ないといけないから)、使えますよ、ホテルでパンとか買えば割引券も出ますと、僕の事を平民だなと同情してくださったのか、耳よりな情報も教えてくれたのでした。


さてゲネプロも終わり、本番まで、しばし時間があるので、その『ホテルニューオータニ』のパン屋なる所に行って割引券を貰うべく、勇んでホールを後にしたのでした。


ニューオータニに到着。

子供の頃、親戚の集まりで行ったことがあるってだけの自信で足を踏み入れちゃったら、ビックリ!

耳に入ってくるのは中国語や韓国語や英語。こりゃ想定外に上級国民の世界だぞ。


しかし尻込みするより、ほえ~とお上りさん的興味が上回ったので色々とお店を見て回ります。駐車場係のおじさんの教えてくれたお店はどれだろう?駐車割引券を貰うには何を買ったら良いのだろう?ここは小物屋かあ、外人向けの扇子とかいらないしなあ。

還暦越えると人間 図々しくなるものですね。ビシッと制服に身を包んだホテルマンさんに「〇〇〇」ってお店ありますか?と尋ねたら、しばしの沈黙を経て「さつき・・」で御座いますか?

よく僕の言った滅茶苦茶な店名から「さつき」って言いたいんだなと分かったものです。さすがはホテルニューオータニ!


なんだなんだ、この店なら最初に通った所じゃないかと中に入ると店員さんのプライドがお高そう。

よーし負けないぞ、と1番聞きたい事を直球で店員さんに聞いてしまいます。


「ここで何か買うと駐車場割引券って貰えるんですか?」


「3000円以上のお買い上げで2時間のサービスでございます」


そうかあ、パンで3000円とは随分たくさん買わねばならないなと思いましたが、心配無用。



カレーパンが1つ千円だからカレーパン3つ買えば良いんですよ。

最初は、ピッタリ3000円になるよう、あれこれ組み合わせとか考えていたのですが、この際、記念に1800円の食パンとか買っちゃうかあ!!と

買ってしまいました。箱入り食パン。


もう2度と来る事もないだろうからと2斤も買ってしまったので、必要最低限の3000円をオーバーしてしまいましたが
良いのです。たまの贅沢で気持ちが華やぎました。

それより演奏中、楽屋に置いておいて盗まれないだろうかと心配です。10万円以上するスマホより食パンの方が高価に思えてしまうとは、いったいどうしたことか?大事な食パンを楽屋に置いていくのは後ろ髪引かれますが、大丈夫って事で割り切って弾いて来ます!

藤原真理さん、向山佳絵子さん、堀了介さん、堀沙也香さん、三宅進さんとポッパー「レクイエム」を弾きました。

中央が岩崎洸先生です。

コンサートでの皆様の演奏、素晴らしかったし、岩崎洸先生のドボコン、そしてカザルスと直接接した先生の「鳥の歌」も生涯忘れ得ぬ想い出となりました。2日間のリハーサルを経て本番が終わった時は、ヘトヘトというより、とても楽しかったという気持ちが強く残りました。そう、贅沢な「すごく楽しかった」です!


そしてニューオータニで買った食パン、とっても美味しいんですけど・・・


クセになったら、どうしよう。