機内アナウンスで「只今の現地の気温は24℃との連絡を・・」と言っています。
数時間前までN響定期公演でショスタコーヴィチの悲しくて沈鬱な交響曲を弾いていました。そんな重い重い心持ちのままやって来たのは、夜中でも24℃あるという
沖縄です!!
それにしても東京は明日 大雪らしいのに、ここでは、半袖ですけど何か?って感じの別時間が流れているようです。
ところで今回は、ここ那覇が最終目的地ではありません。僕は初めてなのですが、明朝、船で座間味島に渡るのですよ!そして、そこの小中学生にN響の仲間との弦楽四重奏をお聞かせするのです。
座間味なんて、なかなか行かれる所ではないですよね。本来なら「世界が恋する海」と言われるほど透明度が高くて青い海にお目にかかれるはずだったのに、今日は雨が降っていて残念です。
これから乗る高速船へのブリッジ。本来なら、ここが「世界が恋する海」への入り口なのですね。

三線ならいざ知らず、チェロを持って座間味に行く人は、あまりいないでしょう。

高速船で50分。波を蹴散らして爆走します。
先乗りしていたスタッフの方がクジラを5~6回 見たというので僕は目を凝らしていたのですが、行きも帰りも見つける事が出来ませんでした。船酔い薬の副作用で95%爆睡していたヴィオラの村松君ですら、1回見ましたよと言っていたのに、なんと言うことでしょう!野生動物が大好き過ぎて、幼少の頃から動物図鑑が聖書、T V「野生の王国」は毎週欠かさず、中学生の頃は音楽家になるか野生動物観察家になるか迷いまくった、この僕が目を皿のようにして海を見つめていても見つけられなかったクジラ。羨ましいなあ!!
でも、この調子じゃあ野生動物観察家になるのは難しかったかもしれませんね。音楽家になって良かった。
さて座間味港に到着すると、とても陽気な方がお迎えにいらして下さっていました。お話しを伺っていて判明したのですが、その方、なんと教頭先生なのだそうです。一般的なイメージの教頭先生とあまりにも違って陽気過ぎる!
教頭先生の運転する車で小中学校に到着しました。
雰囲気のある素敵なグラウンドですね。

控え室のテーブルに飾って頂いた花がハイビスカスだなんて南国だなあ。

今回のような学校訪問コンサートの場合、通常、小学校低学年は一緒に歌ってくれたりしてノリが良いのですが、高学年、ましてや中学生にもなると恥ずかしくて黙ってしまうのが普通です。
ところが今回、最後に何となく拍手が止んでしまった時、おそらく多くの子供達はどうしたら良いのか分からなくなっていた時に、突然ひとりの中学生の男子が「アンコール!アンコール!」と掛け声を上げて盛り上げてくれたのです。
そうしたら、我々の帰り際に小学生達が教室から出てきて「アンコール!アンコール!」と言ってくれたのですよ。中学生のお兄さんの教えてくれた気持ちの表し方が自然と小さい子達に伝わっているのですね。なんて気持ちが良いのでしょう。
座間味、柔らかい気が流れていて、ふんわりした空気感で居心地がとても良かったです。子供達が純粋だし先生方も温かいお人柄。みんながにこにこしていて、つくづく、ここは幸せ島だなあと感じました。
短い座間味滞在も終わり、帰りはフェリーで2時間かけて、のんびり那覇に戻ります。港まで音楽の先生がお見送りに来て下さったので、我々、視力検査さながら見えなくなるまで手を振りましたよ。
さて夢のような島から那覇に戻って来ると、今度は現実的な問題が待ち受けていました。
なにやら東京では雪が猛然と降り始めていて飛行機が飛ぶかが微妙。イソップ物語のオオカミ少年じゃないですが、どうせ今回も降らないだろうとタカをくくって羽田空港まで車で来てしまった僕としては道路の様子も分からず不安です。
その夜、飛行機は、座間味で乗った高速船と同じくらい揺れながらも、なんとか羽田空港に着陸しましたが、高速道路は閉鎖、家に帰る電車は運休、ホテルは満室ばかりで、あっても1泊5万円からという状態で八方塞がり。このままではニュースで時々見かける空港のベンチで夜明かしという事になってしまうのでしょうか?
結局、8000円のホテルが見つかったので事なきを得ましたが、もし空港のベンチで丸まって眠る事になったら、夢の中で、さっきまでいた南の島の香りを思い出していたでしょうかねえ。