洗足学園音楽大学の日中交流の企画で中国の北京と最南端の街 深圳に行ってきました。
今、その帰りの飛行機の中なのですが、映画「里見八犬伝」を観てしまったので、先日までのマイブーム「光源氏」から、今は軽く「里見八犬伝」気分になっています。
さて今回の訪中団の「剣士達」は、尺八、お筝、津軽三味線、チェロ、作曲兼指揮の松尾祐考先生、そして優秀なる洗足学園 中国人スタッフ二名の七名に、現地の笙奏者を加えると、「八犬伝」の剣士達と丁度同じ八名でございまする。(映画中の言葉遣いが残っている!)
そして我らが向かう北京音楽院には、中国の作曲家達が、てぐすね引いて待ち構えているのでございます。
北京の音楽院へは当初の予定より相当遅れて夜9時頃の到着だったので八人目の剣士なる笙(しょう)の達人の姿は何処にも見当たりません。おかしいなあ、映画によると運命の玉を持つ八名の剣士は自ずと落ち会えるはずなのですが。
聞いたところによると、なにやらその剣士の家がとても遠いらしく、あまりに遅い時間からのリハーサルは不可能なのだという現実的な理由らしいのです。一度も八名が揃わず明日の戦さに臨むのは、かなり不安ではありますが
「笙が無いなら、しょうがない」リハーサルは出来ないね、のジョークで一同納得。
夜、到着した時の北京音楽院。ここは国家プロジェクトで小学校からの一貫した英才教育。そんなエリートの集う中庭の照明が中国っぽい!
翌日は何はともあれ午前中からリハーサルを始めなければなりません。そこで初めてお会いした八人目の剣士は、とても優秀な中国笙の女性演奏家でした。なんの問題もなく八つ目のピースはカチッとハマったのでした。
一方、立ちはだかる中国の若手作曲家剣士達は三名。それぞれ得意技が違い面白い戦いが出来そうです。でも戦いのない時は、とても良くして下さり、楽しく食事したり、我々と同じレベルの簡単な英語で楽しくお喋りしたり。
彼ら、若くして国家プロジェクト的立ち位置にいるので、お店に入る時とか、警備員に難癖つけられた時とか、彼らの後ろにくっ付いてさえいれば向かうところ敵なしって感じがして心強かったです。
そんな訳で、中国作曲家の方々と戦いながら、もちろんそれは、ああしてくれ、こうしてくれ、こうですか?いやそれは無理ですよ!等という音楽的な戦いですが、そんな事しながら過ごした2日間は濃密で、とてもとても楽しかったです。
ところで中国、日本にいる時は得体の知れない恐い国という印象を持っていましたが、行ってみたら、なんて事なくて、かえってコンプラでがんじがらめの日本より、のびのびしていると感じました。バイクは100%、車もほとんどが電気自動車で、かつてのように空気が濁っているような事もなくなっていました。ただ、そのバイクが歩道も車道も自由自在に走りまくる存在と化していて、電動な故、無音で急接近して来るのが少し危なかったくらいです。
深圳では歩道橋も爆走していく電動バイク。
上り坂でもガンガン行くよ!
中国語は最初、聞いた感じが強いから怒られているのかと思うと、それは善意の現れだったりで、両都市とも人々は、とても親切でした。
極めつけはこれ!
中国の最南端の都市、深圳での本番も終わり、翌日はご褒美の観光デーだったので、ナイト・クルージングに行ってきました。おそらく外国からの観光客ゼロ。中国の人々が、それなりに着飾って楽しみに乗船している様子に、こちらまで嬉しくなってきてしまいます。
バイキングあり甲板ライブあり、マジックショーありの大盛り上がりの3時間。皆様、本当に楽しそうで、香港➔マカオを結ぶ、海上50kmにも及ぶ橋の下をくぐる当夜の最大イペントの瞬間は特に大盛り上がりでした。中国の人が、外国人には見せない、内輪にしか見せない素顔をさらけ出して喜んでいる姿を見て、僕は感極まって涙が出そうでした。
最後に、古き良き昭和感が残る深圳でのユニークな情景をご紹介しましょう。
昼間だというのに道路清掃。象のように汚れを見付けると水を放射します。車やバイクが巻き添えを食らっても、何処吹く風。日本だったら・・
花壇の水やりも豪快!これで茎が折れるような花は中国では生きていけないのでしょうか。
中国人スタッフに、バイクが車道を走っていたかと思うと歩道を爆走したりして危なくないの?と聞いたら、「そうだとしても自由が大事ですね」と言っていました。観光客である我々に、住んでいる方々の内実は、うかがい知れませんが、監視社会と言われている中国の方が、行き過ぎたコンプラを止められず、どんどん萎縮していく日本より、ずっとのびのび暮らしているように見えました。
今回、中国に行く事が出来て、また中国の方々と交流出来て、とても良かったです。
日本に帰ってきてからというもの、僕はすっかりおおらかになって、なんでも許せる気分なのですよ。
そのうち日本の萎縮に疲れてきたら、また行きたいなあ、中国。
おもしろいくらい大き過ぎる建物や のびのびした雰囲気で気分リセットです!!
