大阪フェスティバル・ホールでの野口五郎さんのライブ伴奏をして、今、その帰りの新幹線です。

野口五郎さんとご一緒するのは今回で2回目ですが、前回はピアニストである娘さんが主役でしたので、その素敵な歌声との接点は、あまりありませんでした。それよりショパンのピアノ協奏曲を弾かれる娘さんの事を、父親として、とても心配されているご様子で、ソワソワとあっちに行ったり、こっちに行ったりされているお姿の方が印象に残っています。


その時のリハーサルでの事なのですが、野口五郎さんは我々の前で娘さんに

「人間、昨日よりは今日、今日よりは明日、もっと成長していなければならないよ」的な事をおっしゃったのです。僕は芸能人の方というのは、もう少し軽いものかな等と無知にも勝手に思い込んでいたので、この言葉を聞いて、ハッとしました。なんて真面目で素敵な方なのでしょう!

そして、その時のコンサート、娘さんが主役でしたがサプライズ・アンコールとして最後に登場され、マイクなしの生声で歌われました。その生声で勝負しようという姿勢と勇気にも頭が下がりましたよ。

芸能界で長く第一線で活躍されている方はストイックに努力されているのですね。


そして話しを本日の大阪公演の事に戻します。

皆様も、歌番組の芸能人の後ろで楽しそうに弾いているストリングスのおにいさんやおねえさんを目にする事があるかと思います。僕は、ああいうのを、やった事がないので、いつかやってみたいなと思っていたら、今日、まさに、それをやって来たのです!

そうは言っても、見るとやるとでは大違い。あのテレビのおねえさん方はプロ中のプロなのだと言う事が分かりました。

事前に都内で我々だけでリハーサルはしました。でもポップスはクラシックには出てこない軽快なリズムの乗りや、複雑な繰り返しがてんこ盛りなので、そういうのに不慣れな僕は楽しそうに弾くどころではありません。それでも、たま~に余裕な箇所があると、テレビで見るストリングスのお姉さんみたいに身体を動かして、乗っている風を装ってみるのですが、僕なんかの恥じらい気味でぶきっちょな動き、4000人の大ホールの誰一人として気付く事はないでしょうね。


ところで野口五郎さん、トークでおっしゃっていましたが、先日、70歳になられたそうです。とてもそう見えない!!

そうだ!70歳と言えば、先週、車の中でラジオを聞いていたら、70歳のお誕生日を迎えたばかりの桑田佳祐さん特集をやっていました。

このおふたり、同い年なのですね。


いやいや何言ってんの!しらばっくれないでよ。

すみません、僕は、このおふたりの他に、あと佐野元春さんら数人が、みなさん、同い年だという事を、とうの昔から知っていたのでした。

なぜかって?ちょうど僕が還暦前後、60歳過ぎたら人間ってどうなっちゃうの?60歳の向こう側ってどんな世界なの?まだ演奏家としてやれるの?などと還暦ブルーみたいに悩んでいた時に紅白でもやった「時代遅れのロックンロール・バンド」なる歌のPVを目にしたのです。

そこでは桑田佳祐さんが中心となり、野口五郎、佐野元春、世良公則、Char(敬称略)が、素敵な大人の魅力を振りまいて歌っているではないですか!

そうかあ、オヤジだってやれるんじゃないの!オヤジだってカッコイイじゃない!

僕はこの時、この動画を見て、どれだけ勇気付けられた事でしょう。


そして今度は70歳問題ですか!

今まで70歳って爺さんだと思っていました。しかし60歳の時より更に大人になるのだという考え方もあるのですね。


ますますカッコよくなっていかれる野口五郎さんや桑田佳祐さん、佐野元春さんらの背中を見ていると、

「昨日よりは今日、今日よりは明日、もっと成長するように」を心に、僕も生きていきたいなと思いました。

ああ、なんだか明るい気分になってきましたよ!