仙台郊外の小学校で、子供達にクラシック音楽の楽しさを知ってもらう音楽鑑賞会をして来ました。
津波で流され再建されたその小学校は、木の温もりのする温かい校舎でした。
今回の このお話し、日本を代表するピアニスト、小山実稚恵さんからのご提案をN響が具体化した企画らしく、ピアノはなんと小山実稚恵さんご自身が弾いて下さりました。
子供向けの音楽鑑賞会ですので、ショパンばかりという訳にはいきません。そこで事前に都内で、子供達に喜んで貰えそうな曲のリハーサルをしたのですが、そのプログラムたるや、今どきのシンコペーションたっぷりの曲やタンゴ、子供達が今、練習している歌、はたまた校歌までと、およそ『小山実稚恵』さんのイメージからは掛け離れたジャンルでしたので、その知られざる一面が垣間見えて楽しいリハーサルとなりました。
小山さんは鑑賞会の前日から、会場となる体育館のピアノを弾き込みに行かれるという意気込みで、普段、誰にも弾かれることの無い体育館のピアノも、まさか小山実稚恵さんに「弾き込まれる」事になろうとは思いもよらなかったでしょう。
ところで僕は楽器紹介コーナーで、サン・サーンスの白鳥を弾きましたが、もちろん伴奏は小山実稚恵さんでした!
普段、演奏中、今まさに弾いているフレーズの終え方や次のフレーズへの発展の仕方を僕は、その瞬間瞬間のファンタジーで色々と思い付いて弾いていきますが、所詮 夢見る男の夢なので、その時々の共演ピアニストに採用して頂けるかは、いつも未知数です。それはそうです、人との関係と同じで、意気投合する時もあれば、なんだか今日はお天気の話しで終わっちゃったなあとか、いろいろとあるようなものなのです。
小山さんとの場合は、不思議な『許し』に包まれているとでも申しましょうか、「絶対に怒らないから全てお話ししてご覧なさい」と言われ、本当に本当の事をいろいろと言ってしまえる自由のようなものを感じました。


