土曜日、渋谷17時、ヴァイオリニスト山口裕之さんとのベートーヴェン弦楽四重奏の演奏会が終わると、燕尾服の僕は、黒ワイシャツ&黒ズボンの本番着に着替えました! 本番着⇒本番着? ?  なかなかない経験ですが、そのまま、池袋での演奏会のステージに直行するための不思議な着替えです。

池袋のコンサートは巨匠フランク・ロイド・ライト設計  重要文化財  自由学園明日館で行われました↓


日もとっぷり暮れた18時過ぎ、池袋の住宅街を足早に歩いて行くと、向こうの方に明日館が見えてきました。
既に建物からは、温かい光りと歌声が漏れています。うわあ、と吸い寄せられるように、明るい室内を見るため、窓の所まで近寄ってみると、友達のテノール歌手が元気に歌ったり、拍手に応えてニコニコしたりしている様子が、なぜか今度は、音のしない無声映画の中の明るい光景のように目に飛び込んできました。その張り切っている姿を、ひとり暗やみから見ていると、僕の心は、だんだんほのぼのとしてきて、気分は、まるで、小さな温もりに幸せを感じるマッチ売りの少女のようです。
そんな建物の中の、華やかで温かい様子にうっとりする僕と、窓際のお客様との間には、ガラス戸1枚あるとはいえ、ほっぺた寄せあえるような至近距離で、もし気付かれたら、さぞかし、ぎょっとされたかもしれません。
 
今、歌っている彼、本業は、お医者さんですが、プロ並みテノール歌手でもあり、今宵の、プロ、アマ混成の素晴らしく楽しいコンサートを企画してくれました。
なぜかくも楽しいコンサートになるかと言うと、出演者、全員にプロ、アマを超えた繋がりがあるからなのです。

それは、このプロアマ混成チーム、出演者全員が、暁星学園の卒業生で、何を隠そう、僕も、かつては7つボタンの詰め襟を着ていた頃があったのでした。

当時の暁星は、厳しい受験戦争を勝ち抜いてきた高偏差値学校というより、歌舞伎役者の息子や、銀座浅草の老舗の子息という、いわゆるボンボンの通う緩い男子校でした。ですから、今も級友の多くは、大企業サラリーマン系というより、大店の旦那衆や職業不特定だけどゴリゴリ腕時計野郎が多く、飲み会での話題も、非常に常識外れで、僕の目をいつも、まん丸くさせてくれます。

その夜も、客席には、そういうオジサンが大勢来てくれていて、中にはタオルで隠した酒をチビチビやりながら聴くという、常識外のオジサンもいました。

そして最後は、暁星の集まりといえばお決まりの、会場全員による「ラ・マルセイエーズ」熱唱で締めくくり、いざ打ち上げ会場へ!!

オジサンばかりの飲み会は、おおいに盛り上がり深夜に解散したのでした。

老舗の旦那衆(同級生)↓  


そして、翌日は、僕の2回目となる おさらい会でした!

皆さんの、出し惜しみなしの本気での演奏、聴いていて気持ち良かったし、感動しました。
皆さんが緊張のあまり、ついやってしまう失敗、それは、僕だって、いつでも気を抜くと、やってしまう可能性のあるものばかりで、どんなに嫌な感じか、よーくわかります。嫌だから、そういう事態が起こらないよう、経験値で封印しているだけで、あとは、同じ想いで弾いているのです。

この夜も、打ち上げ。生徒さんと言っても、皆様、立派な大人の方なので、お話ししていて凄く楽しかったです。自分の生徒さんと、飲んだくれるのって、良いですねえ。癖になりそうです!

最後に総勢16人で合奏をしました↓

仕上げにパチリ!

また、来年!!