よくスポーツでホームだアウェーだと言いますが、演奏会でも、それはあるなと最近、つくづく感じています。



特にソロだと、顕著に感じられ、覚悟して演奏会を始めないと、アウェー感に負けて不本意な結果になってしまいます。やはり、知っている顔のチラホラしている演奏会は弾きやすく、拍手を沢山頂くと、猿も木に登る?これは当たり前か!豚も木に登る?豚は真珠でしたっけ? とにかく、どんどん登って、いつもより上手く弾けてしまうのです。つくづく単純人間に生まれて良かったなあと思います。
さて、このほどの「アウェーコンサート」の舞台は名古屋でした。
オーケストラや室内楽では、何度も弾いている名古屋ですが、ソロでは、それも無伴奏リサイタルとなると、おいおいと言うくらい、いつもとは違う街に豹変してしまいます。
今回は名古屋在住、バリバリに徳川家にルーツを持たれる、通称「マダム」が、全てをセッティングして下さいました。そのような強力な後ろ盾があったとしても、お客様の前に立つ時は、この紋所が目に入らぬか!とする訳にもいかず、やはりチェロ1丁で立ち向かわなければなりません。
結果、演奏には、念には念を入れて覚悟して臨み、演奏中には、6~7秒おきに「集中!」と自分に言い聞かせていたので、後悔するような事も起こらず無事、演奏を終える事が出来ました。
それにしても、「集中!」と気合いを入れるスパンが6~7秒というのは、集中レベル的には、おそらく最高度でしょう。あんまり間合いを詰めて、集中!集中!集中!となってしまうと、気合いを入れているのか、演奏をしているのか、全くのところ、わからなくなってしまうので、このくらいが適量だと思います。
集中! 集中! 集中! ↓
さて、この演奏会で使った素晴らしいチェロ台、実は「マダム」と御友人のお手作りなのです!
終演後、お手製チェロ台をバックにチェロ台関係者で記念撮影↓
そして、名古屋とお友達になれた翌日は、岡崎でのリサイタルでした。
会場は病院で、お客様の様子から察するに、おそらく無伴奏のチェロを、そんなには聴いた事がないであろうという不安げな雰囲気が部屋を支配しています。この空気に打ち勝つため、たとえ木に登らせてくれる後押しがなくとも、僕には、いざという時の伝家の宝刀「鈍感力」があるさ!と勝手に集中して、バッハ&文楽を弾きました。
弾き終えると、沢山の拍手が頂けたので、自らを「単純にして鈍感」で良かったと思ったし、岡崎の方々が喜んで下さり、ほっとしました。
ところで、その時の控え室が、ここでした!
左の扉を入ったところ。病院ですから・・

僕は少し仮眠を取りたいと思っていましたが、まさか手術台に横たわるのか・・・
病院に到着した時、この部屋に入ろうとしたら、看護婦さんに「今、手術が終わったところで、片付けていますから、もう少しお待ち下さい」と意味深長な笑みで言われました。
片付けたて・・・
でも心配無用でした。手術室は、もっと奥の部屋で、手前の部屋を使わせて頂きました。

それでも、壁には、こんな張り紙が!!

楽しかったアウェーコンサートの旅も終わり、いよいよ帰る日です。いつもと反対で岡崎城は雨に包まれています。
来年4月には、やはり「マダム企画」で名古屋でピアニストとのリサイタル、7月には安田謙一郎先生とのDUOリサイタルを行います。今度は、もう少しホーム気分で、肩肘張らずに弾けたらと思っています。



