昨日からN響は、指揮者エッシェンバッハでリハーサルをしています。久しぶりのビッグネームなので、楽しみにしていましたが、そのインパクトは、どうやら期待以上の様相です。
御歳77歳。その立ち姿は、すっとされていて、4時間のリハーサル中、座るような事もありません。
くるみボタンの白いワイシャツ、その襟元にゴールドのネックレスが見え隠れし、グレーのスラックスが網目状の革靴と相まって素敵です。
極細フレームの丸眼鏡を掛けられ、いよいよブラームスの交響曲を振り始められると、そこには、現存する指揮者、数人にしかないであろう妖艶な世界が開けたのでした。
これこそ限られた人しか、あるいは人間しか成し得ない芸術というものだと、久々に鳥肌を立てながら弾きました。
そして特筆すべきは、リハーサルの進行が、とてもゆったりしている事です。しかし時間内に何故か間に合う。別次元の不思議な時の流れを見ているようです。
音楽的表現が、こんなにも素敵だと、お宅のほうも、さぞかし芸術的で素敵、そして妖艶なのだろうなと想像してしまいます。
リハーサル中、そんなお宅の妖艶な客間に、もし招かれたら等と、想像は更に膨らみます。
当主自ら震える手で、マリーアントワネットの私物だったというカップに紅茶を入れて頂き、時計という概念とはかけ離れた時を過ごす、お暇する時になって、ようやく、そう言えば今、何時だろう?あるいは何日か経ったのかな、などと想像してしまいます。それくらい眺めているだけで妖しい想像をかきたてられる素晴らしく魅力のある方です。
はてさて、今日もリハーサルです。どんな魅力を振りまいて下さるか楽しみです。