駒野之蔵 参上!!TSコマコレクター
天気晴朗ならず、波高し。黄砂にまみれて月赤く、今なお不撮の時をむさぼっております。
して、こんな時は・・・・・・・・・・・・
初めて読まれる方はこちらからお読みください。
第一話:無改造亀吉くん奮闘記
第二話:赤撮り半次郎 !見参
第三話:隠れた逸材、辺多楠次郎現る!!
第四話:赤撮り半次郎、お礼まいりの旅!!
第一話:無改造亀吉くん奮闘記
第二話:赤撮り半次郎 !見参
第三話:隠れた逸材、辺多楠次郎現る!!
第四話:赤撮り半次郎、お礼まいりの旅!!
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亀吉と楠次郎は息をハァハァ言わせながらやって来た。
なんでも、伊目次郎が反射鏡筒を手に入れたと言うではないか。
二人とも生まれてこの方、レンズを通してしか星空を見たことがなかったのである。
話には聞いていた。反射望遠鏡というのはレンズを通さずに星の光を見ることが出来る。
結果、あの煩わしい色収差もなく、極めてシャープな星像を見ることができるらしい。
そんな亀吉と楠次郎、伊目次郎が反射望遠鏡を手に入れたと聞けば、じっとしてられるわけがない。
「伊目次郎さ~ん!!見せてぇ!反射望遠鏡」
「おぅ!どぅしたんでぇ二人して。汗だくじゃぁねぇか」
「ね、ね、どれぇ?反射・・・。あぁッ!これぇ!?すっげぇー!!」
「そういやぁ、おめぇ達ゃ反射望遠鏡ってぇなぁ初めてだったなぁ。」
「うん!名前はなんて言うの?」
「スゴイオッチャンが作ったBKP130ってぇんだ。これはなぁ、数ある反射望遠鏡の中でも、
俺たち庶民の懐にゃあ随分とやさしいんだ」
「へぇ~、BKP130かぁ。ねぇ、何ぃ?奥の鏡に赤い点が光ってるの」
「あぁ、今レーザー使って、主鏡と斜鏡の筋目通してるところさぁな。
おれは何事も筋の通らねぇこたぁでぇ嫌れぇなんでな」
「ねぇ、見せてぇ、おいらにも見せてぇ」
「おぅ、ちょうど星も出てきたところだ。ちょっと待ちな」
伊目次郎は二人を連れ、BKP130を持って庭へ出た。
やはり、星像が鋭い。亀吉と楠次郎にも見せてやった。
二人とも歓喜の声を上げた。しかし、何かが違う。しばらくして楠次郎が言った。
「ねぇ、伊目次郎さん。真中らへんはいぃんだけどぅ、周りの星がなんか変だよ」
「それさぁな、そのぅ、星が小さな扇型に見えるだろう」
「えぇ!見せてみせて」亀吉も覗き込んだ。
「あぁ、ほんとだ!周りの星だけ扇の形になってるぅ」
「おぅ、その扇型、うん彗星みたいに見えるのでそれをコマって言うんだ」
すでに伊目次郎、このコマ対策をあるお方に相談していた。
「実はなぁ、おれのパイセンで、天体撮影の異端児、美濃に住む未知伊さんて方がいなさるんだ。
そのパイセンは低感度でとてつもない枚数を飄々とお撮りなさる。おまけにピントが合わなきゃぁ
鏡筒をぶった切る、なんてぇ荒業も厭わねぇんだ」
「き、鏡筒をぶった切るぅ!!」二人ともバッテリが上がりそうなぐらい震えあがった。
「そんなに恐がるこたぁねぇぜ。未知伊パイセンは、いたって心根の優しい方だ」
伊目次郎からの相談を受けた未知伊パイセンは、早速コマ対策のために応援を寄こしてくれたという。
それから数日後、伊目次郎と亀吉、楠次郎の三人が夜空の下で星空談議に興じていたら、
一人の旅人が訪ねてきた。
「ごめんなすって!!」
「伊目次郎さん、誰か来たよ」
「どちらさんでござんすぅ?」
「へぇ、手前美濃より参りやした、未知伊パイセンの下で修行しておりやす、駒野之蔵と申します。
世間で言う、『ニュートン鏡にコマコレ』たぁ、あっしのことでござんす」
「あぁ!あんさんでござんすかぁ、未知伊パイセンから伺っております。ようこそおいで下さった。
あっしは皇座山一帯を取り仕切っております、七代目須寺伊目次郎でござんす。ささ、どうぞ中へ」
伊目次郎は之蔵に亀吉と楠次郎を紹介した。之蔵の人懐っこさも手伝い、二人はすぐに馴染んだ。
「之蔵さんて出目金みたいに目が大きいんだねぇ。」往々にして、こどもは口塞がないことを言うものである。
「これっ、亀吉!失礼なこと言うんじゃねぇ!」
「いや、よろしゅうござんすよ、伊目次郎さん。もう慣れっこでさぁ。亀吉君、このデカイ目はなぁ、
フルサイズが来ても隅々まで光を捕まえられるんだぜぇ。ケラレることなんザぁねぇんだ」
「へぇ、すごいなぁ!」こんどは楠次郎が感嘆の声を上げた。
すると之蔵がしんみりとした顔で話しだした。
「でもなぁ、いまでこそこのデカイ目はどこへ行っても自慢なんだが、
子供のころは、釣鐘目玉ってよくいじめられたもんだ。いつも仲間はずれさ。
でも、そんな時、いつも一緒に居てくれたのが、美濃の未知伊パイセンなんだぜぇ」
「へぇ~ッ、未知伊パイセンて優しいんだ。でもぉ、よ~く考えてみると、
ここにいる者み~んな、子供のころいじめられてたんじゃん」
それを聞くと、みな一同に大笑いをした。それからしばらく談笑のひと時を過ごしたあと、
駒野之蔵が思わぬ出会いを話しだした。
「あっしは美濃を出たあと、関ヶ原から東海道を通らずに奈良は吉野の山越えをしていた時のことでした。
ちょうど峠にあった茶店で一服していた時のこと。うしろで話す人の『皇座山』という言葉にふと振り向くと、
そこには鏡筒抱えた同業らしい旅人がいなすったんですよ。」
「ほう!いくら星空が綺麗な吉野の山奥とはいえ、同業に出会うたぁ珍しいことでござんすねぇ」
「へぇ、で、そのお方に、皇座山のことをどうして知ってるのかと聞くと、なんと、その方は」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく
とゆーわけで、ミッチーさんがコマコレ貸してくださいました。感謝感激コマ取れる。でガス。
山口のじぃ、BKP130でコマに悪さされることもなく、ミッチーさんの広い海のような、
また、気高い山のごとき愛に包まれながら、いきなりコマコレクターを使った撮影が出来るのです。

