財布1-子猫のような目で見つめる | お空をみてたら→飛行機雲がとんでいった

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チェレの秘密の日記

電車待ちのホームでのこと。


いつもの乗車口の前に止まると。

目の前にひとつ黒い2つ折の財布が落ちている。

 

 

これは、釣りだろうか。

 

しばらく眺めていると

財布は人の足に弾かれていった。


足元には、だれも目をくれない。

 

人が途切れた。

黒い財布は、助けてほしそうに、こちらを見ている。

じっと、動かずこちらを、見ている黒い財布は

小さな小さな、黒い子猫の姿に見えてきた。

 

にゃぁ黒猫

 

ホームには電車の入線のアナウンスがなる。

たくさんの人が電車から吐き出されると

子猫は、またたくさんのひとに蹴られてしまう。

ホームに落ちてしまうかもしれない。


僕は黒い子猫に手を差し伸べた。


電車がホームに滑り込んできた。

僕はそのまま子猫と一緒に電車に乗り込んだ。

 

 連れてきてしまった。

 


黒猫をチラ見すると、、少額だがお金が入っている。

紙幣とあとはレシート。

あとはパイポ。

 

子猫ちゃん。おうち探してあげるよ。


乗り換え先の路線で下車し

そのまま、近くの交番へ入った。