8月25日の聴き耳club Bで扱ったリスニングの話題は
New Revelation of Hostage Deal (人質取引の暴露)
今年はアメリカの大統領選挙で、共和党のDonald Trump前大統領と民主党のKamala Harris副大統領との一騎打ちで、これについては日本でも頻繁に報道されていますが、今回の話題は24年前の大統領選挙についてです。
1980年の大統領選挙は現職のJimmy Carterと共和党候補のRonald Reaganの間で行われましたが、その前年、1979年の11月4日にイランアメリカ大使館人質事件が起きました。イラン革命を支持する若者たちが、テヘランのアメリカ大使館を襲撃し、52人のアメリカ人外交官らを人質に取りました。
カーター大統領にとって人質解放が再選の条件になりましたが、投票日までに人質が解放されることはなく、実際に解放されたのはレーガン新大統領の就任演説の数分後でした。当時、共和党とイランが秘密の取引をしたのではないかといううわさが飛び交いました。
それから、40数年後ある事実が暴露されました。元テキサス州副知事のBen Barnesが裏取引があったと明らかにしたのです。
彼はテキサス州知事のJohn Connallyに誘われて中東を回っていたのですが、その際にイラン側に対して、大統領選の投票日以前に人質を解放しないように求めるメッセージが伝えられたと告白しています。Reagan共和党大統領になれば、イランに有利な条件を提示するから、新政権誕生までは開放するな、ということです。
告白当時、Carter元大統領は、終末医療の緩和ケアを受けることが明らかなっており、Barnesは真実を明らかにしたかったと述べています。Carter元大統領が存命のうちに事実を公にしたかったのでしょう。
古今東西、政治の世界で裏取引は珍しくありません。今この瞬間もどこかで表にできないようなことが行われているかもしれません。
今月の表現: set the record straight (事実をはっきりさせる、真実を明らかにする)
After rumors circulated about the band's breakup, the lead singer took to social media to set the record straight and reassure fans they were still together. (バンドが解散する噂が広まった後、リードシンガーはSNSを使って真相を明らかにして、バンドはまだ続いているとファンに安心させようとした。)