6月30日の聴き耳club Bで扱ったリスニングの話題は
China’s Population Decline and Its Implications (中国の人口減少とその影響)
中国は長年人口増加を抑制するために「一人っ子政策」(one-child policy)を取ってきましたが、2016年に廃止しました。それ以降子供を増やそうとしていますが、その効果は出ていません。
そして現在、中国の人口が減少し始めています。2022年に1960年代以来初めて人口が減少し、そして昨年、インドが中国を抜き、世界で最も人口の多い国となりました。今年6月現在で、インドの人口は約14億4,100万人、中国は約14億2,500万人です。
この中国の人口減少は経済に様々な影響を与えているようです。
中国の急速な経済発展は人口増加に支えられてきたため、人口が減少に転じたことで経済が低迷する可能性が指摘されています。
また、人口減(population decline)は労働力の縮小(shrinking labor force)を意味するので、労働コストの増加(increasing labor cost)につながります。現在、生産拠点を中国から他国に移す企業が増えているのはこうした事情が一因です。
影響は海外にも広がります。アメリカでは価格上昇(higher prices)やインフレ(inflation)が起きるかもしれません。米国経済諮問委員会の元メンバーは、中国の成長が急に鈍化するたびに、アメリカの雇用やアメリカの輸出企業に影響が出ていると、述べています。
しかし、悪いことばかりではないようです。人口減少は過密都市(overcrowded cities)には朗報でしょうし、中国の天然資源への負荷も少なくなります。
そして何よりも、中国の人々の生活費の低下(a lower cost of living)につながる可能性があります。もっとも世界経済(global economy)にとっては中国の人口減少は良いことではないかもしれませんが。
今月の表現: lose A to B (AをBに奪われて失う)
China lost its status as the world's most populous nation to India in 2022. (中国は2022年に人口世界第一位の座をインドに奪われた。)