10月29日の聴き耳club Bで扱ったリスニングの話題は
Japan’s Paternity Leave Challenge (日本の父親の育児休暇問題)
長期在留カナダ人のGlen Woodさんは、ある日本の大手証券会社の特命部長でしたが、育児休暇の取得後に仕事を外され、その後解雇されました。
弁護士に相談するとそれはおかしいということで2017年に裁判に訴えることしました。裁判は長引き、1審、2審とも敗訴しましたが、最高裁まで闘うようです。
そんな中、人口減少、高齢化、少子化に直面する日本で、育児・介護休業法(Child Care and Family Care Leave Law)が改正されました。
昨年4月から施行され、企業は以下の義務が課されました。
★ 育児休業制度の周知(to inform all their employees about the parental leave system)
★ 育児休暇取得の意向確認(to confirm with expecting fathers whether they intend to take parental leave)
日本では男女とも最大12か月の育児休暇が取れることになっていますが、改正前は、女性の8割以上が取得するのにたいし、男性ではほとんどいませんでした。
この法改正で状況が変わるかどうか。データを見ると2012年の男性の育休取得率は17.13%で過去最高になっています。もっとも、8割を超える女性と比べるとまだ格段の差があります。
しかし、確かに変化の速度は遅いかもしれませんが、専門家はこの改正法は男女とも育児休暇が普通に取れる未来への第一歩と見ているようです。
今月の表現: father-to-be (もうすぐ父親になる人)[= expecting father]
lead by example (模範を示して導く、じっさいにやって見せる)
The grandfather gave the father-to-be a piece of advice: "Always lead by example; your child will be watching."(祖父はもうすぐ父親になる男性にアドバイスを一つした:常に模範を示しなさい、子供は背中を見ているから。)