4月30日のおしゃべりclub Bでの会話を一部ご紹介します。
特別給付金に意味はあるのか?
コロナ禍が何年も続き、人々の生活が悪影響を受けました。そこでそんな状況を助けるため、政府が様々な給付金を支給しましたね。全国民に一律一人10万円を配ったこともありました。そのような給付金をほとんど貯蓄に回す家族の話を読んだ後、参加者の皆さんはどうしたか尋ねました。
Of course, I saved all of it.
早速貯蓄に回したという発言があると、私もという声が上がり、使ったという人はただ一人。その方はシングルマザーを支援するNPO法人に寄付したそうです。ということで、一般的な消費に使った人はこのセッションでは一人もいなかったのです。この結果は例外的どころか、国民全般の傾向を反映しているようです。一緒に読んだ記事でも、政府は景気浮揚のためなるべく使ってもらいたいのに、日本人はなかなか使わないと嘆いていました。
では、なぜ日本人はこのような臨時所得を消費に回さないのでしょうか?
It’s because we Japanese are concerned about our future. We need to save money to prepare for our life after retirement.
なるほど。日本にはもちろん年金制度がありますが、もらえる金額が不十分だとか、実際将来しっかりもらえるのか心配という不安は確かに国民の間に広がっています。
Compared with Japanese people, Swedes save very little, because they don’t have to. Their social welfare system is so good that they don’t have to worry about their lives after retirement.
と、福祉制度の整ったスウェーデンとの比較をしてくれた参加者がいました。これは羨ましいと思いましたが、
But in order to finance the system, they need to pay a lot of taxes. Much of their income goes to the government as taxes.
と税金の高さもセットだという事実に気づかせてくれました。では、どちらがいいでしょうか?税金は高いけれど、将来をちゃんと保証してくれる国、それとも自分で貯金して自己防衛しなければならない国?
Before considering such choices, I want to know whether Japanese government wisely distributes the money they collect from us as taxes. I am suspicious about it.
と、日本政府が我々の税金を適切に使っているか疑問だという声が。そうですね。スウェーデンほどの高い税率ではないにしても税金を払っているのだから、国民生活を向上させるため上手く使ってもらわないと困ります。そんな意味でも一時しのぎの給付金の効果には疑問があったようです。
ところが今年に入って少子化の傾向がますます顕著になったので、そこにも給付金による「異次元の(unprecedented)」対策が検討されています。これに対してもいろいろ突っ込みが…
One of the reasons why young people don’t have children is that they can’t earn enough money to raise children or even get married.
子育てはもちろん、結婚して家族を形成するにもお金がかかりますが、それに耐えられるだけの収入がない若者が多いことが一因だと言うのです。
そのための給付金かもしれませんが、いつなくなるか減額されるか分からない給付金よりも、しっかり稼げる社会を作る方が先決だというわけです。また、
The government should allocate more money to education itself. Currently, education fees are too expensive, especially at universities. If those fees were more reasonable, fewer young people would worry about having children.
そうですね。教育費を含めてもっと社会全体が子供を育てていける社会の仕組みを作ることも非常に大切でしょう。
ということで、一時しのぎの給付金ではなく、根本的な社会構造をしっかり改革して欲しいというのが参加者の大方の意見でした。