1月29日の聴き耳club Bで扱ったリスニングの話題は
A Conscientious Objector in Israel (イスラエルの良心的兵役拒否者)
イスラエルは兵役義務があり男女とも18歳になると数年軍隊に入らなければなりません。パレスチナ問題を抱えているため、国家の安全は最優先事項です。兵役義務はイスラエルの人々にとってa rite of passage(通過儀礼)と考えられています。
ほとんどの若者は兵役に就きますが、中には拒否する人もいます。
Shahar Peretsさんは、兵役を拒否したため19歳で1か月刑務所に入りました。パレスチナ人の友人がいることもあり、パレスチナ自治区の住人を抑圧するようなことに参加したくないため兵役を拒否したのです。しかし、その反響は大きく、SNSでは裏切者などと罵詈雑言を浴びせられました。
兵役を拒否しようとする若者は軍の委員会に呼ばれ言い分を聞かれることになりますが、ほとんどは却下されます。その他、健康や宗教などの理由で兵役を免除されることはあります。
こうした良心的兵役拒否者をサポートする団体もあります。Mesarvot(= refusers)という名の団体は兵役拒否者に対し、軍の委員会での対処の仕方などをアドバイスしています。
一方で、兵役を心待ちにしている若者もいます。近くの公園に集まって砂袋を背負って走る練習をして徴兵を待つ人々もいます。
Shaharさんは出所した後、徴兵センターに出向いて再び兵役を拒否しました。ほとんどの若者は懲役義務について深く考えない中、一石を投じようと思っているようです。現在再び1か月の服役中です。
現在世界で60以上の国が徴兵義務を課しています。身近なところでは韓国、台湾、シンガポール、マレーシアなどです。 最近日本の国防を増強する必要性が盛んに議論されていますが、状況によっては将来この問題が取り沙汰される日がくるかもしれません。
今月の表現: S carries O (SはOを伴う)(carryは性質などを持つ、伴うの意味で用いられることがある)
In this country, refusing to serve in the military carries a stigma. (この国では、徴兵拒否は汚名を伴う。)