２月28日の聴き耳club Bで扱ったリスニング題材は以下の通りです。
overtourism(オーバーツーリズム、観光公害)からの脱却を模索するVenice（ベニス）
イタリアの都市Veniceでは観光客が殺到しているため、毎年1,000人の市民が住めなくなってVeniceを出て行きます。1950年代には20万の人口がありましたが、今は4分の１の５万人です。主な原因は、住宅が民泊予約サービスのAirbnbの部屋やセカンドハウスとして使われ、ベニス市民の住む家が不足しているためです。
そうした中、昨年のコロナウイルス禍によるロックダウンで(lockdown)で観光客が激減したことを受けて、overtourismから脱却し人口を増やそうとする動きが出始めています。
VeniceのCivic Observatory for Housingという市民団体が、住人を呼び戻す措置を取るよう政府に呼びかけています。例えば、
・ホテルやAirbnbの宿泊施設を制限する
・若者に手頃な値段の住居を提供する
・観光客依存体質のVenice経済を変える
また、観光客が少ない現在、空いているAirbnbの部屋を学生に貸し出す計画もあります。しかし観光客が戻ってくれば、学生は追い出されてしまうでしょう。
やはり長期的な計画が必要のようです。Veniceの経済が観光依存体質から脱却しなければ（unless Venice weans its economy off of mass tourism）、早晩、住む人間のいない、ただ美しい観光客スポットがあるだけの場所になってしまう（it will soon be nothing more than a stunning showcase of a dead city）と住人は言っています。
wean A off of Bは「AをBから遠ざける、AにBをやめさせる」、off ofはoffと同じ意味です。off ofは正しくないという批判もありますが、主にアメリカ英語で話し言葉として使われています。