最近話題のTBSドラマ半沢直樹、その原作者の池井戸潤のドラマがNHKでやっていた。
こちらもネジ。
◆第1話:
一課長の坂戸が八角(係長)に対するパワハラで更迭、原島が一課長となる。一課長としての初仕事はネジ製造業者の切り替え。前任の坂戸が担当していたネジ製造業者全てを切り替えることになる。
◆第2話:二度と戻れない
オフィス用チェアのクレームがここ2年で増加していた。原因はネジの強度不足。調べると強度不足のネジは多くの製品に使われており、列車車両や航空機のイスにも使用されており、影響が多大であることがわかった。社内に告発文を送るが、社長(生え抜き)が隠ぺいを指示する。
新聞・ニュースで目にする「隠ぺい」は、そこで目にする・耳にするだけでは何かの悪者が悪いことをやっている、というぐらいにしか感じていなかった。ここで目にする「隠ぺい」は、自分や家族の生活を守る(維持する)、社員とその家族の生活を守る(維持する)ためであり、わかりやすい悪者がいるわけではないということを感じさせる。はて、自分ならどうするだろうか?
◆第3話:すべてが壊れていく
社長(生え抜き)が隠ぺいを指示する。隠ぺいと裏回収の検討、定期点検の度にネジを変えていく計画、5年かかる見込み。
副社長(親会社から出向)のもとへ、告発文が届く。副社長からの密告で、親会社からの監査が経理だけでなく品質管理にも及ぶことになる。回収の人員・費用の確保を条件に、原島が監査を乗り切ると宣言する。一課長がチーフとなり、監査を乗り切る(=リコール隠しに加担、隠ぺい)
◆第4話:だれかが生き残る
親会社にネジ強度偽装が発覚、親会社役員による"議事録のない会議"にて、公表のタイミングを図るため、詳細の調査を決定。調査の中で、親会社は「強度偽装は社員個人によるもの」と決めつけ・ねつ造の姿勢。
実はコンペを勝つため、ネジ強度偽装を子会社社長がネジ製造業者に指示していた。20年前の業界に認知された列車車両受注の際も、当時子会社へ出向していた現親会社常務が、コスト削減のためネジ強度偽装をしていた。親会社自身に影響があるため、公表を控える結果となる。(隠ぺい)
同じ過ちを繰り返すことに疑問を感じ、原島は新聞社への内部告発をする。第三者委員会の設置で調査が行われ、業務の大部分は新会社へ移行、改修のため一課は残ることとなる。
なぜ原島が内部告発に傾いたのか、いまいち理解できなかった。ラストは会社に残った人たちがやりがいを見出す、ちょっとハッピーエンドになっていたが、もし各々がハッピーエンドであるなら、隠ぺいは結果的に無意味だったという事になる。それが事実なら、世の中の多くの隠ぺいは実は無意味であり、だったらすぐ公表すれば良かったという事になる。
隠ぺいといえば、汚染水の海への流出を今さら認めた東電が思い浮かぶ。単純に隠ぺいは良くない!という圧力だけでなく、隠ぺいしない事が関係者・社員にとってプラスに働くしくみがあれば良いのかもしれない、と思ったり。