長年の重い問題が解決した。
深刻と言うのが正しいが、本当に体重が重くて困っていた。
もう入居して7年は越しただろうか。
背が低くて60キロ以上体重があるその入居者は、
徐々に立てなくなってきていた。
リハビリの時はまだ立てるので
全く能力がないわけではないが、
介護スタッフの好き嫌いが激しく、
嫌いなスタッフにはケンカごしで、頑張らない。
早く対策をしていかないといけないと
何度かユニットに伝えてきたが、
「重い」「大変」と言いつつも
介護用具の使用には消極的だった。
用具を準備して、装着する手間を考えると、
抱えた方が早いと考える介護スタッフは多い。
介護スタッフの人数は足りていなく、
余裕がないためそう考えるのも仕方がないとは思う。
しかし、自身の身体を壊してはもう働けなくなる。
この事は雇う側も雇われる側にも大きな問題だ。
案の定、腰痛を起こす介護スタッフが増えてきて、
助けを求められた。
まず、ベッドと車椅子の間の移乗は
スライディングシートを導入した。
問題はトイレだ。
ベッド上でオムツ交換はその方には受け入れない。
電動のスタンディングリフトを借りて見たが、
試すことすら出来なかった。
後で分かったことだが、
電動で動かされることが怖くて耐えられなかったようだ。
値段が高いので購入は出来ないと施設から言われており、
レンタルできる物が必須だった。
いろいろ探して、やっと抱きつくタイプで手動の物を見つけた。
本人には、この機器がダメだとトイレは諦めなければならないと
デモが届く前からパンフレットを見せて何度も説明した。
娘様と孫様にも協力していただき応援の声かけをしていただいた。
いよいよ当日。
思った以上にすんなりと協力していただき成功した。
何日かかけて介護スタッフに使い方をレクチャーし、
私の手から離れていった。
本人は「今まで抱えられるのが怖かったけどそれがなくなった」
と笑顔で報告してくださり、
介護スタッフからは「協力的になられたので、精神的にも肉体的にも楽になった」
と言う声が聞かれた。
お互いに気持ちに余裕ができてよかったと思う。
抱えていた問題が解決して私もすごく嬉しい。