入居者の手が動かないと連絡が入った。
脳卒中なら受診の対応をしなければならない。
見に行くと、
右手が手首から下がっていてあげられないようだ。
手首を介助で真っ直ぐすると、
指は伸ばせないが握ることは出来る。
会話は出来る事、筋緊張は正常な事などを確認して、
おそらく橈骨(とうこつ)神経麻痺だろうと思った。
配置医師にも緊急性はないと判断され、様子を見ることになった。
腕橈骨神経麻痺は前に記事で書いたが、松葉杖の圧迫で起こったり、その他カップルが腕枕をしたまま寝て起こったりすることもある。
車椅子の肘掛けに脇をもたれて居眠りする入居者を気にしていたが、
別の入居者で起こるとは思わなかった。
特養に来て2例目だが、前回よりは症状が軽いため早く回復するであろう。
幸いスプーン箸で食事も出来ている。
後は、拘縮が出来ないように見守りながら、神経が回復してくるのを待つだけだ。
しばらく不自由な生活を送ることになるが、
だいたい3ヶ月くらいで徐々に治ってくる。
脳卒中でなくてよかった。
不安そうな入居者を横目に、
ほっとしながら笑えてくる私がいた。