「何か首と腰 動きにくいな・・・」


「動きにくいですか? じゃ ちょっと失礼します
ここ持ってて引っ張ってもらえますか」


こうしてプロに着付けはしてもらうが
撮影中キョーコに毎日のように直してもらっていた


「どうですか?」


「うん ありがとう楽になったよ」と蓮が微笑む


それを見ていたスタッフや監督が

「キョーコちゃん着付けできるの?」


「あ はい 一応出来ます」


「「さすがだ!!」」


「本当にこの役はあの子しか居ないよなぁ」


共演者も含めスタッフ一同毎日のようにキョーコに関心していた


そしてその後 キョーコも着物で出る事が増え
それは自分で着付けを行いまた絶賛されていた



そしてロケに入って約1ヶ月

毎晩のようにキョーコの部屋で読み合わせなどをし過ごす


「思ったよりロケかかりますね。。」


「そうだね 最上さん篭りっきりでしょ?

俺は何度か東京に戻ったけど」


「そうですね 今度一度京都出ようかな。。」


「東京戻るなら今度一緒に戻ろうよ」


「いえ 東京じゃなくて山梨に行こうかと」


「山梨?何しに?」


「辻が花の美術館があるんですよ ただ交通の便を考えると
泊まりじゃないと無理そうなので考えてるんですけどね。。」


「PC貸してくれる?」


「あ どうぞ」


その場所の名前を聞くと蓮がMAPで住所検索をして確認する


渋滞は分からないけど車で東京からだと1時間半か
そんなに遠く感じないけどこれは車だからの場合で
電車を使うとなると倍の時間で 駅からタクシーか・・


しかもこんなところを1人で行かせるわけには行かない
周りは山ばかりでどうせ電車とか数少ないんだろうし


蓮が突然社に電話をする


「もしもし 俺ですけど 最上さんと俺で2日くらい
時間取れませんか? 1日でも良いんですけど」


「ちょっと待ってくれ お前のスケジュールと照らし合わせて
それでプロデューサーに掛け合ってくる」


「すいません」


「いや どうせその急ぎな感じだと何かあるんだろう?」


「ええ このドラマに関係してることです」


「分かった じゃ 時間かかるかもしれないけど待っててくれ」

社との電話を切ると


「どうしたんですか?」


「ん? そこ俺も一緒に行くよ」


「えっ 忙しい敦賀さんにそんな所に行かせられませんよ」


「だってドラマに関係してるし 良い勉強になりそうじゃない?」


「まぁ 私もそういう意味で行くんですけど。。」


「じゃ 一緒に行くの決定ね ちなみに俺呉服問屋なんだから
知識あると嬉しいんだよね」


「そうでした。。」と笑う


「最上さん そろそろ寝る?」


「いえ まだ大丈夫ですけど?」


「ちょっと電話 ここで待ってて良いかな?
それによっては動き出さないといけないから」


「あ はい 構いませんけど」


そしてまた読み合わせをしながら連絡を待つ
3,40分経とうとしている時に社から連絡が入る


「もしもし 蓮? 今週中に取れそうだよ」


「ホントですか 日にちは分からないんですか?」


「明日の撮りによってらしいから

君達が頑張ればすぐ取れる!」


「分かりました そう伝えておきます ありがとうございます」 


「あっ ちなみにどこ行くか知らないけど俺も同行だからな?」


「ええ それは最初からそう思ってましたが?」と笑い


社との電話を終えキョーコに話す

「最上さん

明日の俺達の撮りによっては今週中には休めるって」


「ホントですか? 撮影中に行けるなんて。。良かった。。
私学生でそれを学んでいる役なんで 助かります」

と喜んでいた


「それじゃ明日 頑張ろうね」


「はい!」


「あ ちょっと良い?」

蓮がキョーコの腰と頭を抱きしめる


「え?。。ぇ。。///」


「明日失敗しないように・・
何か明日は!何て言われてプレッシャーだよ」と笑う


「たしかに。。」とキョーコが笑う


5分くらい経ったくらいだろうか 蓮が離れて


「うん ありがとう 明日これで頑張れそう」


「いえ。。そんな。。///」


「じゃ おやすみ 最上さん」


「おやすみなさい 敦賀さん」


挨拶が終わりドアーに手をかけ開ける前に

キョーコのおでこにkissをし出て行った


だから それはいらないですよ。。///

でも 敦賀さんありがとう


土地勘も無いところで心細かったのはたしかだし
わざわざ一緒に行くためスケジュールも合わせてくれた
明日は頑張ります


この後すぐキョーコは寝てしまい翌朝シャワーを浴び
気合を入れる


毎日読み合わせや立ち位置の確認などをしているせいか
最近のリハは最初の頃と比べるとだいぶ短くなってきて
本番も1回撮りで上手くいっていた


そして今日は更紗(キョーコ)が自宅で料理をしながら
家族と会話をするシーンも撮ることになっていた


一応汁物と聞いていたのでそれを淡々とこなしながら
包丁で切っていても

目を放して会話したりと慣れた仕草でこなしていく


そして会話をしつつも料理が完成していく


この時すでに

料理専門のスタッフがお米やおかずは作っていたので
キョーコは汁物だけを作った



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「敦賀さん 結城ですよね? これ結城紬っていうんです
多分私の名前は更紗なので この結城かな?と思ったんですけど」


「へ~ そうなんだ」と蓮が微笑む


「キョーコちゃん 着物詳しいの?」とプロデューサーが聞くと


「詳しい程じゃないですけどいくつか有名な物は分かるくらいです」


そしていくつかの反物を見せてもらいバスに乗り込むと

「やはり友禅が多かったですね」


「やっぱりキョーコちゃん この役ぴったりだよ!」

同行したスタッフも合わせプロデューサーがご満悦だった


夕方になりホテルに戻る事になった


「朝食と夕食がちゃんとしてるので敦賀さん良かったですね?」
と笑うと


「2人に監視されてるんじゃ食べないわけにはいかないね」

と苦笑いをする


夕食の時間まで各々部屋で待機することになった


キョーコは部屋に戻るとアメリカに行った時に買ってもらい
覚えたPCを出すとメールのチェックをしていた


あっ 父さんと母さんだ! 写真まである 嬉しい~ 
あれ? ライアンからも着てる
あ。。そっか最後のお別れ言えてないんだった。。

メールを読みながら苦笑いをしていた


コンコン
そこにノックする音が聞こえてきた


「は~い?」


「最上さん? 敦賀です」


「あ はい」ドアーを開け「どうしたんですか?」


「いや やることないし 読み合わせでもしようかな?って
忙しかった?」


「いえ 今メール見てたくらいです」


「忙しかったみたいだね じゃ また」


「いえ どうぞ」中に通すと


「へ~ 最上さんPC使うんだ」


「アメリカ行ったら

父さんと母さんが買ってくれて強制的に始める事に」
と笑う


「メール着てたの?」


「あ はい それとライアンからも来てました」


「へ・・へ~ 何だって?」


「あぁ 日本に行く前ちゃんとお別れしないで私戻っちゃったので
何で言ってくれなかったんだ!って
それ見て挨拶してないの思い出しました」と笑う


「そうだったんだ」とホッとし笑う


「返事はかかないで良いの?」


「明日の撮影風景の写真でも撮って それで送ろうかな?って」


「それは喜ぶかもね」


「はい」と嬉しそうに笑った


「それにしても 敦賀さんが読み合わせとか珍しいですね」


「今回リハ長いし 本番一発でいけるなら行きたいしね
宿泊先が固定されてるって事は

深夜までかかる事もありそうじゃない?」


「あ。。ですね それはそれで翌日大変になるし」


「それに共演者が常に近くに居るなら練習出来るし凄く助かるよ」

こんな口実で君と一緒に居られるしね


「そうですよね 私ったらそんな事も気がつかないで。。」


そして少し練習をしていると夕食の連絡が来たので
社にも連絡をして夕食を食べに行く


中々箸の進まない蓮に対し社とキョーコから突っ込みが入る


「れ~ん それで終わりじゃないよな?」


「そうですよ?
そんなに多い量じゃないんだし

おかずだけでも食べないとダメですよ?」


「俺は毎日こうも言われ続けるのかな・・」


「「当たり前」です」


「キョーコちゃん 夕食はどうなの?」


「夕食はちゃんと食べるんですけどね?」


夕食!?近くで聞いていたスタッフがその言葉に反応する


「あの敦賀さん 病院で検査した方が良いんじゃないですか?」


「ぇ? なんで?」と驚く


「食食不振って結構大きな病気ありますよ?」


「そうなの?」社もそれには流石に食いついた


「前にちょっと見たんですけど 色んな病気が
数え切れない程あってびっくりしました」


「おい 蓮! もしそんな病気だったらどうするんだ!」


「俺鍛えてるし大丈夫ですよ」と笑う


「スポーツ選手で病気で無くなる人 居ますよね?
その人たちと比べて敦賀さん鍛えてます?」


「何も言えない・・」


(今死んだら キョーコちゃん誰の物になるんだろうな)

社が蓮に耳元で囁く


それを聞いて咄嗟に社の方を向く

「だって そうなるかもしれないんだろう? 良いのか?
見えないところで狙ってるの含めると凄い数居そうだよな
そして一番可能性の高いお前が居ないと喜ぶのはやつだろうな」


不破・・・


「何の話ですか?」


「いや 病気だとこれから仕事で大変になっちゃうなって」


「近いうち検査させるからな」


「分かりました・・」


こうして夕食が済み
蓮とキョーコは先ほどの続きを少しやる


「そこ こうした方が良いんじゃない?」


「そうですね じゃ 
私はその時に結城の隣からこう動いた方が良いですかね?」


「そうだね それ良いかもしれない」


2人で読み合わせどころか立ち位置なども試行錯誤していた


この夜はそれから2,30分やり蓮が部屋を出て行った


敦賀さんの言う通りだな。。

こうやってリハや本番前にやっておくと
考える時間も取れるから楽かもしれない


当日いきなり言われると焦っちゃうし。。


そして翌日から更紗(キョーコ)は染物の専門学生と言う事で
学校での撮影をし

結城(蓮)は呉服問屋と言う事で着物での撮影が増えてきていた



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やっぱり敦賀セラピーは凄いな。。


「長い間 すいません。。//」


「ううん 俺もこうしてると落ち着くから」と微笑む


「敦賀さんもなんですか?」


「多分 人なら誰でもそうだと思うよ?
人のぬくもりって落ち着くよね・・」


「そうですね。。」


「最上さんはこういうのでも照れたりするけど
照れる事じゃないからね? 人なら当然なんだよ」


「嬉しかったり悲しかったり ハグの文化の無いこの日本でも
抱き合うってあるでしょ?
親子でもカップルでも 先生と生徒でも」


「あぁ。。そうですね スポーツ選手が先生と生徒で抱き合うの

オリンピックとかの大会で見ますね。。」


「うん だからいつでも言ってね?」と蓮が微笑む


「はい。。///」


君の場合は先生と生徒の

先輩と後輩でしか考えてないかもしれないけど
俺はカップルの方で考えてるからね?


本人には言えないけどね と声に出さずに笑っていた


「そろそろ他の共演者も着てるかもね 行こうか」


「あ メーク直してから行きます」


「じゃ 部屋に居るから 直したら電話して?」


「はい ありがとうございました」


キョーコが蓮の膝の上から降りると
キョーコのおでこにkissをして出て行った


もぅ。。それはいらないでしょ。。///と顔を赤くしていた


一旦メークを落として洗顔をし新たにメークをし直した
ちなみに所要時間約15分


蓮に電話すると1Fのフロント前にと言われたので向かう


何人かのスタッフが居てロケバスに乗るように言われ
蓮の事を聞くと もう乗っていると言われ自分もすぐ向かう


バスの中に入ると社がキョーコを見て

「キョーコちゃん こっち!」


「はい」


蓮と社の真ん中に座らされ3人仲良く会話をする


蓮とキョーコは同じ事務所でキョーコにはマネージャーが居なく
今回社が兼務することになっている事を聞いていたため
回りもあまり気にしていなかった


出演者全員が行くわけではなく
主役のキョーコとその相手の蓮は強制的ではあるが
後はキョーコの家族役の人が来るくらいであった


ロケバスが出発しとある美術館に到着した


同行したプロデューサーが
「古い作品ではありますが

本物の辻が花を見せてもらえるらしいです」


「わぁ どんな着物なんですかね」


展示場には無く裏方のいわゆる倉庫の方に入れてもらう


「こんなとこ普段入れませんよね。。」


「そうだね」


「国宝物ばっかりだから 緊張するな」
3人ともドキドキで案内されながら中に進んでいく


「こちらが辻が花染めになります」


「これは時代はいつなんですか?」

キョーコが気になって聞いてみる


「これは桃山時代の物で 他のも全部安土桃山時代の物です」


「桃山って何年前だっけ・・・」スタッフや社が考えていると


「400年以上前でこんなに綺麗に残ってるんですね。。」


「「「京子ちゃんすごっ!」」」


「さすが キョーコちゃん・・」社と蓮が関心していた


「いえ 一応まだ学生ですし」と苦笑いをした


「時代的にもっと派手なイメージでしたが大人しい色なんですね」


「そうですね

想像すると派手なイメージ持ってもおかしくないですね」


「キョーコちゃん 良く分かるね そんなイメージも湧かないよ」
と社が答えると


「秀吉や信長が居た時代ですよ 後利休とか
社会の授業で習いましたよ?」と笑う


「覚えてるわけないし・・」


「歴史の好きな方や得意な方なら分かりますが
京子さん凄いですね」


場所的に何度かTVがお邪魔した事があり
その度に芸能人に案内してきたが
この程度さえ分からない人ばかりだったので案内人も驚いていた


来たついでという事で少し館内も案内してもらう


「あっ この屏風 これ桃山ですね
やっぱりこういうイメージ持ちますよね」


「ええ 有名な絵師の狩野派です」


「これが狩野派。。」


「最上さん知ってるの?」


「知ってるというか何百年も続いた絵師ですよね?」


「ええ よくご存知ですね 時代は分かりますか?」


「細かくは分かりませんが室町~江戸時代でしたっけ?」


「素晴らしいですね 歴史にお強いんですか?」


「いえ 全然です」と苦笑いをする


誰もが思ったこれで全然だと俺らはどうするんだ と。


「屏風の古いのを何度か見た事があって
その時に何度かお話を聞いたことがあったので
本物が見れて光栄です」と微笑んだ


見学は終わり

キョーコは案内人にきちんとお礼を良い後にした


バスに乗り込むと

「キョーコちゃんはほんと誰でもキチンと挨拶するね」


「あんなに丁寧に説明までしてもらって案内して頂いたのに
挨拶は当然ですよ?」


キョーコの言葉を聞いてスタッフ一同頭が上がらなかった


そして京都には呉服問屋が多くあり2,3箇所回る事になり
現代の辻が花や他の染物も見せてもらう


「これ 敦賀さんですよ」と笑って見せる


「どういうこと?」



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