娘の誕生日でした。
もう16歳。
私も16歳。(気持ちは)
娘の希望でバースデーケーキはチーズケーキ。
娘は自宅出産でした。
出産当時、住んでいた家から助産院までは歩いて3分。
上の子が難産気味で、しかも夫は海外におり一人寂しく産んだという経験から、
二人目は逃げられなくしてやる
という(よこしまな)思いから助産院を選びました。
助産師さんに
ここ(助産院)で産んでもいいけど、おうちでもいいよ?と言われ、自宅出産に。
お産は人それぞれでしょうけど、私の場合、
自宅出産にして正解
でした。
息子の時は
「二度と子どもなんか産むかバカヤロウ」と思ったんですが、
自宅出産の娘のときは
「あと10人は余裕で産める」
楽ちんで幸せなお産でした
息子の時のお産の様子を話していたので、もしかしたら難産になるかもしれないと助産師さんと覚悟を決めていたのですが、あっけなく産まれたので
「あなた安産型よ!!!」
と言われました。
何が幸いしたのか。
病院で産むのと自宅で産むのの違いは、
リラックスしてるかどうか。
不安を感じてないかどうか。
これに尽きると思います。
そして比較的、歌い手は出産は上手かもしれない。
歌うようにお腹を使って!
え?こう?
そう!そう!上手!!!
え?こんなのでいいの???超、簡単!!
今はまだいきまないでね。
え?さっきの簡単だからまたやりたい。
はい!いきんで!
ん。(高音出す感じ)
はい!出てきた!!!
え?終わり?
こんな感じでした
せっかく夫に、出産がどんなに大変か見せつけてやろうと思っていたのに、これでは目的が…
助産師さんが上手にお産の波に乗れるよう誘導してくれたのも安産に繋がったように思います。
残念ながら息子の時は陣痛の時も、促進剤を2本も打って激しい痛みに耐えている時も、誰も近くにいませんでした。完全に一人。無機質な部屋で硬い分娩台の上に一人。
この時ほどイヴ(アダムとイヴの)を恨んだことはありません。
「てめぇ、蛇になんかそそのかされてリンゴ喰わなくても、他に喰うもんあっただろうが」
と、本気で思いました。
それからすると、娘の出産はなんと幸せだったことか。
頭が見えてきた時に、娘の頭を撫でさせて貰ったんですよ。まだ出てきてないのに!!
そういうことが出来るのも自宅出産ならでは。
娘はへその緒を首に巻いて出てきました。助産師さんが『くノ一』のように首尾よく外していました。
そして、へその緒に流れる私の血液が止まるのを待って、夫がハサミでへその緒を切りました。
病院でのお産だと血液が自然に止まるまで待たないですよね。
血液の流れが止まる前にへその緒を触らせて貰いました。当たり前ですが私の鼓動に合わせて脈打ってましたよ。
お産というと『血の海』になると想像してる方が多数のようですが、出血はあまり無かったです。
当然、会陰切開も無し。
充分伸びるを待って産むのです。だから切る必要無し。息子の時はドーナツ型のクッション(座布団)が手放せませんでしたが、切ってないのでそんなもの必要無し。
病院で切るのは伸びるまで待たせないのと、あと、どうせ切れるんだから、だったらハサミを入れた方が真っ直ぐな切り口になって後から縫いやすいからと聞きました。
つまり、医者の都合ですな。
もう一つ質問が多いのが、夫はどこにいたか。
私の背もたれになってました。人間座椅子みたいな。
座った状態で産んだんです。
あまり知られてないようですが、WHOは横になって(寝かせて)の出産はしないように言ってるみたいです(だいぶ昔に調べたことなのであやふやですが)
考えてもみれば、地球の引力に逆らって出産することもないでしょう?利用できるものはしなきゃ。
寝転がってウンチが出来るか?という話です。
自宅出産は誰もが出来るものではありません。
リスクのある方など何か病気を持ってる方は難しいでしょう。
また、お腹の赤ちゃんの状態でも断られることもあります。実際、あと2週間で逆子が直らなかったら病院での出産に切り替えましょうと言われていました。娘はずっと逆子だったんです。
だから、自宅で産めたのは奇跡に近かったのです。
夫は感激のあまり号泣していました
当時、看護学生だった妹も、実習ではお産に立ち会えなかったため、しっかり見学していきました。
そういうわけで16年前のお話でした