さて、ぼちぼちリサイタルの話でも。
今回、取り上げた『Ridente la calma』(静けさは微笑みつつ)なんですけどね。
モーツァルトの作曲となってますが、他の人のかもしれないと言われてる曲です。a-b-aで最後に最初の部分を繰り返す形式の曲なので、2回目は変化を付けて歌う方が多いです。
私?
私、そういうの苦手なんです。
まともに歌ってから変化付けようよ!
まともに歌えもしないのに、変化なんか付けられるかい!と思ってます
遊びがないと言いますか、余裕がないと言いますか、くそ真面目と言いますか、ま、そういう性格です。
竹内さんにお聞きしたら「付けなくていいんじゃない?」と。単にめんどくさかっただけなんじゃなかろうかと私は思ってますよ。
でもね、さすがにね、ずっとそのままで歌ってたら、最後ぐらいはカデンツァ有ってもいいんじゃない?ということになりまして
じゃ、考えて!書いて!
(きっと私にこう言われるだろうから、やらなくてもいいんじゃない?と言ったんじゃなかろうかと)
それで書いて貰ったわけです。
これなんかどう?とパッパとピアノ弾かれて譜面に起こせるような能力ないですから!!!
というわけで、これで歌ってたんですよ。本番の5日前まで。
なのに、本番の2回前の練習で何を思ったか、
違う音を歌っちゃった
最高音は『ファ』だったはずなんです。
ファ、歌ったんです。歌ったんですけどね、なんかもっと明るい、お花畑のような音だったような気がしてね、ファを出した後にポーンと別の音が出たんです。勝手に。
そこであれっ???って、
びっくりして歌うのを止めて、
「私、どこ行っちゃったの?」
竹内さんの目の前にいますがね…
「いいですよ、いいですよ、良かったですよ!」
と竹内さん。
本番まで日がないというのに、パニックになる私
「私、何の音を歌ったの?」
「ラ、です」
本番でコレやったらどうしよう
ということで、また譜面を書いて頂きましてね、
ちゃんと練習して無事に演奏しました
で、なんで違う音に行ったんでしょうね?と言っていたら
「その方がいいと感覚で出てしまったんでしょう」と。
身体が勝手に動いたようなそんな感じです。
「ド(ハイC)まで行っちゃったとしても、ちゃんとここ(元の音)まで戻ってきてくださいね」と言われましたが、
ド(ハイC)を出すには身体の状態が変わるので、簡単にそこまで行くことはないです。
それにしても、面白い感覚でした。
私、動物に近いのだと思う。
なんの動物かなぁ。