モーツァルト作曲のオペラ『ドン・ジョヴァンニ』の中の、ツェルリーナとドン・ジョヴァンニの二重唱を練習していた時のこと‥

私にはどうしても歌い辛い箇所があって、時にはそこだけ音痴になってしまう、という小節と格闘していました。

これ、来月23日に狛江で歌うんですよ。こんなに有名で学生だって簡単に歌える曲を歌えないなんて‥。必死に練習してたわけです。

ある時、旦那ちゃんに
「君の練習は苦行のようだ」
と言われたことがあって、その日も何度もそこを取り上げてやっていたんです。

私、ハッと気がつきました。ホントだ、私がやってるのって苦行だわ!
何度もがむしゃらにやればできるようになる、できないのは声帯が怠けているからだ!と言わんばかりの練習なんですね。素振り百回!腕立て二百回!みたいな‥。

で、他の方法も試して歌いやすい形というかフォームというか、を探ったわけです。

あらら簡単にできるじゃないですか!何の問題もなく歌えるじゃないですか!

それから楽譜をよく見直すと…。私が歌い辛かった音形の後に4度上で同じ音形が出てくるのですが、そちらにはスラーがついていて、どうやら私はその4度上の音形と同じ歌い方でやっていたのですね。

試しに、スラーをつけて歌ってみると、また歌えません。スラーを外すと歌えます。

なぁんだ、モーツァルトはちゃーんと書いてくれていたではありませんか!そこはソプラノには苦手と思われる音域で、更に言うと私の苦手な音形で…。

この話を旦那ちゃんにしたら『弦楽器のボーイング』の話になりました。スラーの時の弓の動きと何もついてない時との違い。なぁるほど!そうやって考えると自ずと歌い方は違ってきます。

あ、旦那ちゃんは一体何者だ!?といった感じですよね。オペラ演出家です。演出家がなんでそんなに音楽のことに精通してるのかって、子供の頃はヴァイオリンをやっていたそうで大学では声楽を。
彼の伯父さんは(亡くなりましたが)東フィルの首席チェリストだったそうで、伯父さんの名前、ウィキペディアに載ってました!お祖父様はヴァイオリン作りをしていたそうで、近所にいる叔父さんはファゴット奏者で都響にいたそう。

というわけで環境というか血というか…。彼の演出は音楽の流れを壊さないというものなので、判る方からは絶大な支持と賞賛を‥。


なんか話がそれたわ。


以上、結婚記念日の夜の会話でした(^_^;