高眼圧緑内障眼は高血圧の人が多い、一方、正常眼圧緑内障の人は低血圧の人が多い、ここにはいろいろ問題があります。
低血圧、高度近視、睡眠時無呼吸症候群は正常眼圧緑内障の3大誘因になります。また、高齢者ほど、正常眼圧緑内障になりやすいです。その原因と考えられるのが、日本では血圧が130mmHgを超えると高血圧という考え方があります。しかし、高齢者は、血管抵抗が強く、徐々に血圧が上がります。80歳、90歳の人が収縮血圧が130mmHgを超えたら高血圧だから、内服が必要という考え方がわかりません。血圧も年齢ごとの正常値があってしかるべきです。低血圧の人は、貧血になったり、ふらついたり、つまずいて、骨折したり、あまり、健康的とは言えません。我々、眼科医はこれまで、手術の時しか、血圧は測定しませんでしたが、私は、緑内障を調べるときには、必ず血圧を測定します。高齢者で収縮期血圧が120mmHg未満の人は要注意です。眼圧は正常でも、緑内障OCTやOCTAを見ます。NFBDやOCTA画像で眼血流が悪い場合には、必ず視野検査も行います。近視が強くて、低血圧で、睡眠時無呼吸症候群があれば、まず正常眼圧緑内障(NTG)を疑います。視野が正常でも、緑内障OCTやOCTAを定期的に測定します。
長年、高齢者のOCTやOCTAをみていますと、視野検査より、OCTによる異常が早く、それよりもOCTAで血流が悪い青色の増加の方が早いです。NTGは低血圧で末梢である眼血流が十分でないことが原因と考えています。しかし、眼血流、ひいては全身の血流をよくする方法がこれまでありませんでした。有酸素運動をすると良いと言われていますが、なかなか、続きません。運動をすればよいかというと、やりすぎると、乳酸が増え、かえって血流は悪くなります。
当院で、正常眼圧緑内障の進行予防に水素吸入を行っていますが、本当は、OCTAで眼血流が悪くなった時期から水素吸入を始めたほうが、効果が強いです。水素が全員に効果があるわけではありませんので、水素吸入前後の視神経乳頭周囲の眼血流が良くなったかどうかで、水素吸入を始めるかどうかを判定します。水素吸入で血流が改善しない場合は、別の要因があると思います。
NFBDがある場合でも水素吸入でNFBD部位の血流が良くなる人は、非常に良い適応です。他のブログでも書きましたが、私自身、視野、緑内障OCTが正常だったのですが、胃潰瘍による出血で、血圧が低下したあと、緑内障OCTにてNFBDを生じ、OCTAで同部の眼血流の低下を認めました。その後、心不全となり、現在も降圧剤4剤内服しなくてはならないので、いつの間にか、視野検査でも視野欠損を生じ、現在、NTGの仲間入りです。現在、夜間高濃度水素級を続けてNTGの進行を防いでいます。
当院でのNTGの患者さんの25%が高齢になってから、血圧が125~130mmHgで降圧剤を内服し、血圧が110mmHg前後に下がっている人でした。内科への紹介状で、もう少し降圧剤を減らせないかとお願いしています。
内科の先生にお願いしたいのは、OCTAを購入してクリニックで降圧剤内服前後で眼血流がどのように変化するかを調べると、素晴らしいデータと論文ができると思います。購入やリースが無理ならば、近所の眼科と提携して、OCTAを取ってもらえば面白いデータになると思います。是非、ご検討をお願い申し上げます。
