現在、考えている緑内障の治療ですが、高眼圧のPOAGは眼圧を下げることが治療の第一選択です。眼圧を下げて血流障害を増やさないことが大事ですし、場合によっては手術的に眼圧を下げて、現状維持を狙います。

 一方、正常眼圧緑内障は網膜神経保護のある点眼は用いますが、眼圧を10mmHg以下に下げることの意味はないと思います。問題は視神経や網膜に対する眼血流が悪いのですから、血流を増やす努力が必要になります。30分水素吸入前後のOCTAを行い、血流が増加するようであれば、症状により、(中期から末期)自宅での就寝時吸入(5時間以上)、初期の場合、週1回30分水素吸入あるいはHG-EVOの水素サプリ内服または両方を考えています。

ただ、POAGでも眼血流が水素吸入で上昇する場合、週1回30分吸入だけでも半年から1年で眼血流の回復が認められますので、POAGでも水素の併用は意味があることだと考えています。

これまで、緑内障は現状維持が目標といわれてきましたが、2023年のシンクレアなどの報告にもあるように、緑内障マウスモデルにおいてOSK遺伝子治療による持続的視力回復が可能であるとされており、水素吸入により、ヒドロキシラジカルが減少し、眼血流が改善して網膜感度が上昇する可能性もあると考えています。