セントラルアイクリニックでは、これまでのOCTAによる水素吸入前後の血流動態から、緑内障、加齢性黄斑変性症、黄斑浮腫、網膜中心静脈分枝閉塞症、脳神経麻痺、硝子体混濁

などの疾患の治療に対して最も有効な治療法は1)高濃度高流量水素吸入(PF72)を自宅で毎日就寝時吸入していただくことを基本にしていますが、それが難しい場合、2)週1回30分のET100あるいはPF72によるクリニックでの吸引をしていただいています。1)の場合、30分の吸入後OCTAでかなり良くなりますが、1時間から2時間で元の血流に戻ります。しかし、夜間持続吸入をすると1か月から3か月で吸入前のOCTAがほぼ正常の血流に回復します。一方2)の週1回の吸入は血流の上昇は認めますが、3か月~6か月最低でもかかります。また、正常までの血流には戻りません。

自覚的所見が良くなる人は続けられますが、NTGやPOAG, ARMDのようにかなり網膜神経線維がやられている場合、血流が戻ってもすぐには網膜感度や視力が上昇するわけではありません。血流が良くなってから、3か月~6か月のさらなつ吸入が必要です。つまり、自覚症状が良くなるまでに、最低でも半年から1年の継続が必要です。もちろん、発症間もない動眼神経麻痺の場合PF72のリース2日で軽快した症例もあり、微小血管の梗塞などは短期間で軽快します。また、糖尿病の血糖なども1か月程度で低下しますので、主治医の先生に水素吸入で血糖値が下がることを説明しておく必要があります(低血糖の恐れ)、高血圧の人も水素吸入で血圧が下がりますので、きちんと説明しておく必要があります。

水素に関心のない先生も、水素の効果だけは最低限勉強していただきたいと思います。

ところで、今後週1回の吸入の方に大阪大学が開発した結晶ケイ素含有シリコン製剤で1日2~3錠で1日800mlの水素を腸で発生させます。酸では反応せず、アルカリで反応するため腸で産生する水素の補完として、水素吸入を毎日できない人、あるいは、旅行中などに水素の補給ができます。

今後、週1回30分の吸入+HG EVOで眼血流の回復がどうなるかを検討する予定です。