2007年の大沢らにより水素が細胞毒性酸素ラジカルを選択的に還元することにより、脳の虚血を治しうるという報告以来、水素は数多くの疾患を治療することがわかってきました。最も強い抗酸化剤であるヒドロキシラジカル+H2が結びついて水となり、体外に排出する還元反応、慢性炎症を抑えること、免疫機能増強、抗アレルギー、抗アポトーシス、脂質代謝亢進など数々の効能があることはわかっていますが、私は根本は副交感神経優位による血流増加だと思っています。血流の増加により、血圧が下がり、代謝が亢進し、血糖値も下がります。また、血流増加で冷え性などの改善、血流増加により、末梢や中枢の小梗塞が開放され、脳神経麻痺なども治癒します。血流の改善から眼科的にも正常眼圧緑内障、加齢性黄斑変性症、網膜色素変性症、網膜中心静脈分子閉塞症、黄斑浮腫など、血流が悪くなることにより、病気の進行を食い止められる可能性がでてきました。
勿論、全ての症例に効果があるわけではなく、正常な人には全く効果がないですが、ヒドロキシラジカルが増える場合には、血流増加による影響を示すことができます。
ただ、鼻カニューレによる吸入の場合、口呼吸の人には効果が少なく、その場合には、マスクで口呼吸に対応せねばなりません。症状が重い場合にはかなり長時間の吸入が必要です。30分から1時間の吸入では1時間から2時間で血流は元の状態に戻ります。動物実験のデータからは5時間以上の吸入で15時間血中濃度が一定であったという報告があり、夜間就寝時の連続吸入を勧めていますが、その場合、一番のネックはレンタル代です。1か月4万~5万します(購入だと150万円)ので、高齢者の年金暮らしの方には無理の場合が多いです。また、水素はカニューラから室内に漏れて、ガス感知器に引っ掛かります。私も夜間はガス感知器の電源を切って使用していますが、現在のマンションでは電源を切れない感知器が多いようです。これが、一番、レンタルや購入に結びつかない理由です。
もう一つの欠点は、水素を吸入していると、体調も良く、睡眠も深く、私はこれで、眠剤は全く不要になりました。
ただ、水素吸入機は大きなもので、持ち運べませんので、旅行の時には、水素を発生する錠剤などを持っていきますが、携帯用に、十分効果のある水素発生量の機器が開発される必要があると思います。
また、セントラルアイクリニックでは100名程度の患者様が週1回から2回30分の鼻カテーテルおよび、ゴーグルを使用した水素吸入を続けてもらっています。夜間就寝時吸入の場合、3か月程度で、正常の眼血流になる方が多いですが、週1回30分の吸入では半年から1年の長期間の吸入の必要がありますが、それでも、血流は水素吸入前より確実に良くなっています。水素を定期的に吸入されていらっしゃる方から、体調がよくなった。血圧が下がった、血糖値が下がった。血液検査の値が全て良くなったなどのお話をよく聞きます。そうでなければ、週1回の吸入は続きません。
眼科は血管を直接見ることができるため。OCTアンギオを用いて簡単に血流状況を見ることができます。昼間忙しく働いて、吸入する時間がない人は夜間就寝時に、昼間時間のある高齢者の方は週1回の通院吸入で、眼科疾患や全身疾患を水素でケアしアイフレイル、フレイルの状態のままで、健康に過ごしていただければと願っています。