緑内障の治療は基本的に眼圧を下げることです。眼圧が高い場合には、眼圧を下げることが基本です。しかし、眼圧の低い緑内障の治療法はこれまで、ありませんでした。

 勿論、考え方として日内変動で眼圧が高い時もあるという考え方、人によって視神経の眼圧に対する抵抗性が異なる。

そういう場合もあると思いますが、実際には眼圧が10mmHgで視野が非常に悪い人がいらっしゃいます。

 その場合、せいぜい網膜神経保護があると言われる点眼をすることぐらいしかありません。房水は最終的に血管に流れますので、静脈圧より低くなることはありません。

では、なぜ、正常眼圧緑内障(NTG)が存在するかというと、ほとんどは、低血圧です。拡張期圧が60mmHg以下の人が特に危ないです。十分に末梢まで血液をいきわたらせることができない場合があるということが問題なのです。

 OCTAが一般的に使われるようになり、NTGの視神経乳頭周辺の血流(血管密度)が低いことが多くの文献で確かめられています。特に問題なのが、高齢者で低血圧あるいは正常血圧で降圧剤を処方されている人です。収縮期圧が130mmH以上あると高血圧という言葉がTVの広告で言われるようになり、60歳以上の人であれば130mmHg超えても、何ら、問題ないのに、降圧剤が処方され、血圧が下がっている人の何と多いことか。眼科的に正常眼圧緑内障の人で、降圧剤が原因ではと思う症例は非常に多く認められます。

 高濃度、抗流量の水素吸入をすると、OCTAで明らかな網膜血管密度の上昇を認めます。

 ただ、数時間すると元の血流に戻りますので、可能であれば夜間自宅に水素吸入機を置いてもらい就寝時に吸入してもらうのが理想なのですが、金銭的な問題があります。そこで、当院に通院していただき、週1回30分の吸入をしていただいていますが、働いている人にはなかなか、週1回の通院は困難ですし、2台の機器では、予約が取れない状況になっています。

 1回の吸入で良くなったという実感がでるわけではなく、就寝時の吸入3か月で網膜感度の上昇が出て実感できるわけですから、週1回であれば、どれだけかかるのか?実際には現状維持かもしれません。

 ただ、水素の緑内障に対する有用性は、まだ、一般の眼科医の知識にはなく眼科医への啓蒙のために、学会での発表と原著の執筆をしているところです。