20年にわたり、学校現場で色覚検査が行われない、異常な状態が続きました。ようやく、小学校で1回、中学校で1回行われるようになりましたが、強制ではなく任意検査で、しかも父兄からの同意書を取って検査をすることになりましたので、私が校医をしている中学でも、1回に数名のみです。しかも、ほとんどが、女生徒で男子生徒はいません。
これは、男子が5%、女子が0.2%の頻度で発症しますので、おかしなことです。これは、既に親が色覚異常で、子供も色覚異常があることをわかっていて、受けない、あるいは日常生活では信号機の色がわかっているから、大丈夫と思っているからなのか、よくわかりません。もし、色覚異常があることをわかっていて、検診を受けないのであればよいのですが、色覚異常があることを全く知らない男性が、一クラスに最低一人はいるということになります。
では、何故、男性が多くで女性が少ないのでしょうか?
実は、遺伝子として色覚異常のある遺伝子をもっている数は男性も女性も同じです。ただ、この遺伝子がX染色体にあるため、女性はXX、男性はXYですので、男性は遺伝子を持っていれば、発症しますが、女性は男親からも女親からも両方X染色体の異常がないと発症しません。ですから、女性は保因者が多いということになります。ですから、両親がともに正常でも男性の場合、色覚異常を発症する可能性がかなりあります。ですかた20人に一人が色覚異常なのです。色覚異常には赤の弱い第一色覚、緑の弱い第二色覚、青の弱い第三色覚に分かれ、その程度によって、色の見え方異なるのです。最近はユニバーサルデザインで色覚異常の方が区別しやすい色を使用して、本、スライド、など作成します。信号の色はほとんどの色覚異常の方は判別できます。
でもパイロット、船舶操縦士、色の見分けを仕事にするような仕事には不向きです。職業選択の時に、それが理由でなれないとしたら、その子がかわいそうです。少なくとも1回は検査を受ける仕組みを構築すべきです。色覚異常を1つの個性と認めるのは、他の遺伝疾患を考えるときにも、整合性がとれます。ども特性を考えて職業選択できるようにすることも親の務めです。
女性が保因者である場合、子供は男性であれば、確率は50%が正常、50%が色覚異常、女性であれば、50%が正常、50%が保因者になります。色覚異常の男性が子供を持った場合、男の子の場合100%正常、女の子の場合100%保因者になります。いずれも配偶者が正常であればという前提がありますが、それらを勘案すると、遺伝的にどんどん増えることはありません。それらも含めて、検査の後に、保護者や本人に説明することも必要です。