PSAが前立腺癌の腫瘍マーカーとして、よく知られており、50歳以上は検診項目にほとんどの場合入っています。

PSAは腫瘍そのものをみているのではなく、前立腺の上皮細胞の蛋白質を見ているのですから、言ってみれば、炎症産物です。前立腺炎、前立腺肥大、前立腺癌などで増加しますが、検診で4ng/ml以上あると、MRIで腫瘍がないかどうか調べ、その後の経過でPSAが上昇傾向にあると、組織を調べて(生検)癌細胞がないかどうか調べます。

私も3年前、前立腺肥大でPSAが10以上になり、前立腺が大きいため、高値になっているのだけれど、癌があると前立腺肥大の手術ができないので、MRIでは問題なかったですが、生検をしましょうと言われ1泊2日で入院して検査しました。

麻酔で痛みはないですが、あの音は嫌なものです。私は大丈夫でしたが、友人はこの検査でかなりの出血をして数日入院が伸びたりというとがありました。癌細胞がないということで、レーザーで前立腺肥大の手術を2泊3日行いました。

前立腺肥大がかなり重症で、カテーテルを挿入して、カテーテルで排尿する生活でしたから、術後の爽快感は手術をやってよかったとしみじみ思いました。

PSAも順調に下がり6程度になりましたが、正常値にはならず、術後3年経過すると、PSA値がまた再上昇してきました。手術前の値に戻ってきたので、MRIを撮りましたが、問題ありません。そこで、主治医の先生から、前立腺肥大はないので、癌かもしれないので、また、生検をしましょうかと言われましたが、癌だとしても、MRIに映らないような、大きさですから、本当の早期なのです。ここで、前立腺癌に関して、他の癌と比べ、非常に進行が遅く、進行するのに、20年、30年かかるのです。つまり、前立腺癌は高齢者がかかる癌で、寿命とそれほど、かわらないのです。もちろん、進行癌になれば、転移などもありますので、定期的にMRIをとったりということは必要かもしれませんが、胃がんや肺がんなどのように、本当の早期に発見して治療する必要はないと考えています。欧米では、PSAの検査をルーチンにやるのは、意味がないという報告もでてきています。

 癌細胞は誰でも全身にはいくつもできているのですが、アポトーシスの働きで壊しています、そのアポトーシスがうまく働かないと検査で癌が発見される大きさになるのです。

進行の早いものは、見つかった時には遅い時もありますが、進行の遅いものであれば、見つかってからの処置でよいですし、前立腺癌の場合、寿命との関係で治療するかどうか決めてよいと思います。ですから、PSAが高い場合、MRIはやっても良いと思いますが、症状がない場合には、生検はやる必要がないと思います。もちろん、若年者でPSAが高値の場合は、おかしいですから、調べて方が良いと思いますが、60歳以上の場合、多少PSAが高くてもそれほど、心配する必要はありません。

私の場合は、PSA値が再上昇した時に、高濃度水素・酸素吸入療法を当院でやっていたものですから、これで、免疫機能アップ、抗炎症反応でPSAを下げようと思い、生検は待ってくださいと主治医に行って、まず、1日1時間の吸入をして1か月後PSAを測定しましたが、12が11になっただけでした。そこで、これは時間が短いと思い、ハイセルベータPF72をリースでかりて、夜間就寝時5時間以上吸入してみました。すると、2か月でPSAが6まで落ちました。以前のブログにも書きましたが、主治医の先生が何をやったのですか?と聞かれ、水素吸入ですと答え、どんな機序で効くのですか?水素の還元反応です。ヒドロキシラジカルが水素と結びつき、水となぅって排出され、抗炎症効果がPSAが下がったと思います。と答えました。なるほど、あり得るかもしれませんね。とのお言葉でした。それに気をよくして、今度はハイセルベータET100に機種を変更し、次回の検診の時には、PSA4未満の正常値を目指して、現在も夜間吸入しています。

どうして、またこんなことを書いたかというと、天皇陛下がPSAが高く、症状は何もないけれど、来月MRIをやるとのこと、MRIで問題なければ、生検はやらず、様子を見ていただきたいと思った次第です。62歳は高齢者です。

日本では標準治療でないことを、やることは、難しいですが、全く体に負担がなく、副作用も副反応もない、高濃度水素の吸入が、広く世間に知られればよいと思ったまでです。