自分自身で多焦点眼内レンズを挿入して、患者さんへの説明がやりやすくなりました。自分自身で体験しているからです。

私の挿入しているLentis Mplus x Toric(LMPxT)は屈折型で下方が扇状の近方部位があり、これまでのLMPTが遠方62%、近方38%だったのが、近方面積を増やして遠方と近方がほぼ半分になっているため、近方~中間の見え方が良いですし、術翌日から近方は裸眼で1.0でます。遠方は初日は0.8程度ですが、1週間ぐらいすると1.0以上になります。また、左右の間隔はできるだけ、早くやった方が良いと思います。私の場合、手術をやってもらう関係で2週間後に僚眼をやりましたが、左眼が正視でしたので、右目の術後近くは右で見ないと見えませんが、遠くは左眼の方が良く見えるため、順応が遅れました。左目をやったら、遠くも近くも見え方が良くなり、両眼視効果を実感しましたし、ハロー、グレアも減少しました。

ハローグレアが減らない人に対してM-POS眼鏡を装用すると、かなり軽減できますが、これまで、患者さんがどんな眼鏡を装用していたかを見落としていました。術後、遠くが見えないからと言って、術前の遠方矯正眼鏡を装用している場合がかなりあります。その場合、近くは裸眼でLMPxTの近用度数でみて、遠くは以前の-2~-3Dの遠方矯正眼鏡を装用している人が結構いたのです。そうすると、遠方もLMPxTの近方度数で見ていることになります。

片眼手術をしていて感じたのですが、近くはLMPxTの近方の部分でみていますが、遠くもぼおっとみていると近用部分で遠くをみてしまうので、遠くがぼけてしまいます。遠くをじっとみるとLMPXTの遠方部分で見えてきます。見るという意思を持ってもらうと見えてきます。

そこで問題になるのが、患者さんが、以前の眼鏡、あるいは、自分で眼鏡店に行って作ると、近方度数に対する遠用眼鏡になってしまい。なかなか、遠方度数を使わないという事態になり、、遠方の順応がおこりません。その場合、M-POSで遠くの度数に対する補正を行えば、遠方も順応します。

多焦点眼内レンズの処方は屈折矯正を十分理解した眼科医でないと処方できません。多焦点ではオートレフラクメーターの値は参考になりません。