人は生まれた時には全員遠視です。赤ちゃんは+3から+6Dの遠視があり、生まれたときは近くは、あまり見えません。匂いや音で判断しています。成長して、身長が伸びるとともに眼球も大きくなり、遠視が減り、正視になってきます。近視は眼軸長が伸びすぎたり、近くのものを見すぎて調節緊張になり、近視化する場合がありますが、眼軸長が伸びても眼球自体が大きくなると角膜曲率はステープにならす、近視化しません。

 このあたりの研究はあまり進んでおらず、我々の1万眼以上の1900年生まれから2000年うまれの眼軸長と角膜曲率をIOLマスターで測定したデータを解析すると、1955年頃までは眼軸長が伸びて、角膜曲率がスティプになり近視化しているのが、1955以降に生まれた世代では、眼軸長の伸びが以前より少なく、角膜曲率も以前よりフラット化しています。身長の伸びの割合と眼球の容積の割合が変わってきているのかもしれません。今後はCT,MRIなどによる眼球容積の大量のデータを解析することにより、解決するかもしれませんが、今後の検討課題です。

 以前は20歳を過ぎると近視化はなくなるといわれていましたが、現在は調節力の残る40歳ぐらいまで近視化は進みます。

近視化は民族による差があり、アジア人の方が欧米人より多いのですが、最近は欧米でも近視の数が増えています。

老年になると角膜は倒乱視化と老視のために、ややフラット化してきます。

 眼軸長は16歳から18歳で伸びは止まりますが、それ以降も近視化するのは、角膜のスティープ化と生活様式の近方視のための調節緊張が関係しているのでしょう。