PRKは非常に安全な手術で始まってから40年ほど経過しています。ところが、日本でのPRKの数は驚くほど少ないです。その原因は、術後の痛みと視力が1週間ほど安定しないことです。ですが、LASIKより-5D以上たくさん削れること、PRK手術そのものの合併症がないこと、術後の近視の戻りがほとんどないこと(LASIKが10年で元の度数の1/10の戻りがあるのに対して、PRKは1/20しか戻りません)、つまり、-10Diopter削っても-0.5Dしか戻りませんので、-10D未満で有れば、ほとんど再手術の心配がないことになります。
 ですから、痛みさえなければこれほど有用な手術方法はありません。さらに、サーフェイスアブレーションですので、ドライアイにもなりません。瞼裂の狭い日本人の場合、マイクロケラトームやイントラレースのコーンが入らないという心配もありません。ですから、私は昔から、術翌日からしっかり見える必要がないのであれば、心配性なひとにはPRKを勧め、PRKの数は現在、1400を超えています。これは、日本では非常に多い数字だと思います。
 さて、痛みをなくすために、当院で行っている手術方法がamoils PRKです。これは、上皮を剥ぐ方法が電動ブラシのようなもので、振動で50μのところからはがれてきます。ですから、LASIKで110μのところで、実質が切断されて三叉神経が切れて、完全な神経ブロックがおこるのと同じように、50μのところで、切断されるのと同じことになります。神経の断端を直接刺激するわけではないので痛みがありません。もちろん、上皮がありませんので、そのままでは、痛みがありますので、SCLを角膜上皮が再生するまで、入れておきます。4日ほどで、上皮は張ります。当院では4日目の火曜が休みのため、5日目の水曜にSCLをはずします。もちろん、遠視矯正のように広い範囲で上皮を剥ぐような場合には再生まで1週間程度かかることもありますし、年齢的に上皮が弱い人もいらっしぃますので、その場合には1週間かかることもあります。術後の合併症で唯一問題になるのが、角膜のヘイズ(角膜が紫外線を吸収して濁ること)です。これがおきると、見にくいことと、近視化がおこりますので、ステロイドの点眼が必要になります。この合併症を防ぐために、近視度数が-6Dを超える場合にはマイトマイシンCを角膜上に塗布して、たくさんの水で洗い流します。そうすることにより、ヘイズはほぼ、なくすことができました。当院で手術を受けたPRKの患者さまは15年以上経過しても遠方視力は2.0や1.6です。
ですから長期的な経過に対しても非常に有用です。私と下の娘はLASIKですが、家内と上の娘はPRKです。全員、再手術なく、10年以上経過してよく見えております。