12月1日より、ドライアイ治療薬ムチン分泌薬のムコスタの長期投与が可能になりました。これまで、最大でも1週から2週しか投与できなかったものが2ヶ月分ぐらいは投与可能になりました。
 これまで、防腐剤のない、ムチン分泌薬を使用しようとしても、患者さんに毎週来てもらわないといけないため、。ジクアス(防腐剤入り、ムチン分泌促進)点眼がどうしても、第一選択になりました。しかし、薬物性角膜障害などはどうしてもムコスタが使いたいので、困っていました。ようやく1年が経過して、長期処方可能になったわけです。
 ムコスタ点眼は苦味を感じることと、しみるという欠点がありますが、この欠点は考えようによっては、点眼がきちんと入ったことがわかる。内服のムコスタと同じ成分ですので、そのまま、飲んでいただいても構わないもので、胃腸症状の軽減や、胃がん予防効果も期待できます。この話は、昨日、ムコスタシンポジウムで京都府立医科大学の木下教授のご講演にあっておもしろいと思い、引用させていただきました。
 懇親会で、教授に内服でドライアイが良くなる可能性はと聞いたところ、血中濃度から、無理でしょうということでしたが、胃粘膜も結膜などの眼の粘膜もともに修復機構が同じで、プロオスタグランディンが関与しているということで、興味が湧きました。
 ジクアスとムコスタの違いについて、ジクアスはどちらかというと、同じムチンの分泌でも水分の補完に近い感じで、ムコスタは炎症を押さえる作用があるということで、使い分けが重要になる気がします。
 NHKの”ためしてガッテン”でジクアスやムコスタが実用視力を挙げるということで、紹介され、視力がよくなる目薬という間違ったイメージがありますが、オキュラーサーフェスがよくなると、確かに、角膜が常に涙液におおわれているので、見やすくなるということで、患者様への正しい知識を啓蒙しなくてはあんりません。
 最後に、ムチン分泌作用のある点眼は、現時点では日本にしかなく、現在、米国で治験が始まるところです。日本発の医薬品がこれからもでることを期待してやみません。
 ドライアイ先進国である日本のシンボルとして、これらの薬が自由に使えるようになってもらいたいと思います。保険の縛りで、ドライアイでしか、保険がとおりません。薬物性角膜障害や角結膜びらんの病名ではきられます、全てドライアイの病名をつけると、おかしいと言われますし、困ったものです。