水晶体の上に偽落屑とよばれるカンナクズのような白いものが付着しています。緑内障の1/3以上が偽落屑が原因の偽落屑症候群から派生すると考えられています。偽落屑が前房中から隅角を通過し、シュレム氏環に至る経路で、房水の流れを妨げることにより、眼圧が上昇します。その結果、嚢性緑内障となります。この緑内障は通常の原発開放隅角緑内障と比べ、治療しやすい緑内障です。言い方を替えると、続発性開放隅角緑内障です。原因が偽落屑症候群ですので、偽落屑の詰まりを除去すれば治ると言うことです。もちろん、眼圧を下げる緑内障の点眼も効果がありますが、手術的な効果が通常の緑内障よりも大きいのです。房水を詰まらせているルートを開放すれば、治る訳です。ですから、トラベクロトミーというシュレム氏環から、隅角を開放する手術で眼圧は非常によく低下します。しかし、これは、眼圧が高くなって緑内障になってからの話です。この方は、まだ、眼圧も正常で緑内障ではありません。その場合、予防をすることができます。つまり、白内障の手術を行い、水晶体の前嚢に付着している偽落屑を取り除いてやれば、緑内障にならないわけです。ですから、定期的に眼科に受診し、眼圧のチェックを行い、白内障が進行してきたら直ちに白内障の手術をすることです。また、眼圧が上昇しだしたら白内障手術と緑内障手術(トラベクロトミー)を同時に行なう必要があります。いずれにしろ、定期検査さえきちんとやってゆけば、あまり心配することはないと思います。更に言いますと、偽落屑は水晶体のチン氏帯にも付着しますし、瞳の開きが悪くなります。ですから、白内障が強くなってからの手術は難しくなります。その面からも、早期の白内障手術が望まれます。