宝石緑オルソケラトロジーの定義

 オルソKは高DK値のrigid gas-permanenntコンタクトレンズを用いて、角膜形状を変化させ、屈折異常を一時的に除去または軽減する方法と定義されます。

 睡眠時にオルソKを装用し、日中は外すという使用方法です。

 睡眠時に角膜は一時的に変形し、その変化は10時間から17時間続き、良好な裸眼視力が維持されますが、装用中止により2週間で元の屈折状態に戻ります。従って毎日のレンズ装用が必要です。子供の場合、角膜が柔らかい為、1晩装用で、2日以上効果が持続する場合もある。

 日常での眼鏡やCL装用ができないあるいはLASIKの不適応あるいは躊躇する場合はオルソKの適応であると思われます。

宝石緑オルソKの歴史

 オルソKは1960年代から始まり50年の歴史がある。オルソKは90年代に開発され、現在は第3世代である。次世代は乱視矯正も可能になると言われている。

宝石緑オルソKのメカニズム

 一般的に受け入れられている説は、角膜中央部上皮細胞層の扁平化と、角膜中間周辺部上皮細胞層の肥厚によるオプティカルゾーン部角膜の凹面化が主たるものであると受け入れられている。

簡単に言うと5層の角膜上皮細胞層は中央は2~3層へ扁平化し、角膜中間周辺部は7~10層へ肥厚する。この変化を角膜上皮細胞の再配分(redistribution)と呼んでいる。

宝石緑承認レンズ

 アルガコーポレーションのオルソK;ボシュロムのB+LオルソK;テクノピア社のマイエメラルドの3社で、市場にでているのは、αーオルソKとマイエメラルドの1種類です。

宝石緑ガイドライン

 再検討が必要な項目は20歳以上として適応年齢です。実際にはオルソをやるのはほとんど子供です。大人の場合はまずLASIKです。

もちろん、ガイドラインは医師の裁量に基づいて行われるものですから、ガイドラインになかであったとしても問題が起きた場合は医師の責任になりますし、逸脱しても、遵守したとしても同じです。

しかし、裁判員裁判などのような素人が判断する場合、ガイドラインが試金石になる可能性があり、至急、ガイドラインの変更が必要であると思われます。

宝石緑世界の現状

 東アジアでは近視有病率の高さから中国など装用者が56万人以上と非常におおい、しかし、2000年ごろ中国において角膜感染症が多発したという報告がある。これは、米国製の正規オルソKレンズではなく、PMMA素材を用いた中国製のレンズが眼科とは無関係な店舗で販売され、質の悪いレンズと不適切な処方、特にケア用品にいたっては中国の水道水が保存液として販売されていたことが原因と考えられている。

2001年7月中国国家食品製品監督管理極が医療機関以外での処方および販売を規制した結果、感染症は激減した。