宝石緑開業は楽?

 テレビ愛知の”たかじんNOマネー”で勤務医の先生が勤務医は3Kで大変だけれど、開業医は楽だ。と言っていましたが、本当にそうでしょうか?

宝石緑私の大学勤務医時代

 私は大学で11年、私立の総合病院で13年、開業で7年経過しています。

 実際問題、大学時代は、アルバイトをしなければ食べてゆけませんでした。

また、教授、助教授の板ばさみになったり、診療、学生の教育、研究と毎日夜中の12時頃まで働いてましたし、当直明けで普通に診療していました。

 でも、それをつらいと思ったことはありませんでした。

 何しろ、自分も教えてもらっている身であり、吸収することはいくらでもありました。眼科の黎明期で、手術方法は白内障では水晶体全摘出術から、嚢外摘出術、CCCによる超音波乳化吸引術、眼内レンズ挿入術、多焦点眼内レンズ挿入術とどんどん変ってゆきました。新しいことに挑戦してゆくのは楽しかったです。

 初めて硝子体手術を見たときはショックを受けました。黄斑上膜、黄斑円孔、増殖糖尿病網膜症、網膜剥離、これまで治らないと教えられていたものが次々治ってゆくのに感動していました。とても楽しかったです。お金のことは考えたこともありませんでした。ただ、大学では、やりたいようにやれないので、市中病院の眼科部長として、外にでました。

宝石緑総合病院での勤務医時代

 眼科がないところに眼科をつくるので、何もかも初めて、全て手作り、最初は何もありませんでした。少しずつ大きくして、いつの間にか常勤医7名の所帯になり、眼科が、総合病院の稼ぎ頭になりました。

 そのころは、保険点数がどんどん上がってゆく時期でもありました。やはり、毎日12時ごろまで仕事をしていました。年間手術件数1200件以上、年間、30回以上の発表、原著も年間10篇以上、著書も年間1冊づつでした。

宝石緑分院の院長兼総合病院眼科部長時代

 その時にこれからは、レーシックの時代だと思い、分院として名古屋駅にセントラルアイクリニックを開院して、総合上飯田第一病院の眼科部長件、セントラルアイクリニックの院長として、午前と午後で違うところに出かけての生活でした。確かにしんどかったですが、でもやはり楽しかったです。人と違うことをしているという気持ち、最先端をやっているという充実感でした。ですから、開業するという気持ちは全くありませんでした。

 だって、開業というのは全て自分でお金を用意しなければいけないのですよ。機械を買うのも薬を買うのも、人を雇うのも、家賃も、何もかも自分のお金です。又、人の管理、人を雇うというのはどれだけ大変か、これは開業してみなければわかりません。

宝石緑やむなく開業

 私が開業することになったのは、景気が悪くなり、東海銀行の貸ししぶりが原因でした。3年で黒字の目算をたてていたのが、2年の状態で、銀行から分院をクローズしろという話があり、病院は、それを拒否するとお金が借りられなくなるので、分院をクローズして戻れとのことでした。

 しかし、私にとっては、分身のようなセントラルアイクリニックをクローズしたら、これまで自分が手術をした人に対して責任が果たせないと思い、拒否しました。すると、病院側は、それでは、セントラルアイクリニックを買ってくださいとのことでした。

 悩みました。分院を買うには億のお金が必要です。家族にも反対され、悩みに悩みぬいた挙句、自分自身の道を信じようと思い、銀行からお金を借りて、クリニックを買うことにしました。

 ただ、最初はもちろん、大変でした。経営に関しては素人でしたので、人を雇ったり、器械の購入に関しても、どのように交渉すればよいのかわからず、頭が禿げました。また、痩せました。

 ただ、これまで働いていた人がほとんど残ってくれましたので、ノウハウがある状態で続けることができました。

 親に保証人になってもらって、なんとかなりました。何とか数年で軌道に乗りました。ところが、リーマンショック、トヨタショック、東日本大震災、ヨーロッパの問題、円高、あらゆる外的要素が自費診療には重くのしかかってきます。また、保険点数は10年前からどんどん下がって来ています。

 開業が楽と思うのは、勤務医の思い上がりです。そう思うなら、開業してみてください。これからの開業は昔の開業と違い、2/3は赤字になります。

 経営のノウハウがないとうまくゆきません。

宝石緑勤務医と開業医の違い

 勤務医には勤務医の楽しみと、辛さがあります。開業医は自分の思うと降りの医療ができますが、全てのお金を自分で用意しなければなりません。

 勿論、開業でうまくゆけば、収入は増えます。しかし、今の医療は儲からないシステムになっています。開業医と勤務医の収入が同じであるべきだという極論はむちゃくちゃです。開業医は売り上げが収入ではありません。そこから経費を引いた残りが収入です。新聞はその区別もしていません。

 勤務医で一生を終えた方が楽な生活をおくることができると思います。

私としては、勤務医のままでいたかったです。後は、自分の価値を何に求めるかです。

 私の場合、眼科の黎明期に医者になったため、楽しい時間を過ごすことができました。しかし、今から考えるとそれを3Kというのならそうかもしれません。

 でも楽な仕事は何もありません。以前は、医者がある意味尊敬されていて、自分自身の仕事に誇りをもっていましたので、充実していたのだと思います。今は、コンビニと同じように考えられているので、一般の人と同じような気持ちになるのだと思います。

 また、マスコミが勤務医と開業医を反目させようと、いろいろな手を使っています。それに惑わされずに、医師も自分自身の仕事の意味をよく考えて、ご自身ができることをやるべきと思います。

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<医療法人セントラルアイクリニック>

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