糖尿病網膜症に関して、まだ一度もブログで紹介していませんでしたね。
すっかり、忘れていて、さて、何を書こうかと思い、これまでのブログをみていて気づきました。
糖尿病との付き合い
糖尿病になって10年程度たつと、そろそろ、眼底検査が必要になってきます。なぜなら、糖尿病の3大合併症(網膜症、腎症、神経症)の一つで、ある一定のラインを超えると非可逆性で戻りません。ですから、早期の段階で見つけて、経過観察、あるいは治療が必要になります。
糖尿病で失明しなくなった
最近は、糖尿病網膜症で失明する人は一時のことを考えるとかなり減少したと思います。それは網膜症に対する眼科治療が格段に進歩したからです。
その意味では。きちんと治療すれば、まず、失明しません。
中には、全く自覚症状なく、糖尿病を放置して、ある日、突然見えなくなって眼科に見える方もいらっしぃますが、それでも、まず、治療をきちんと受ければ、何とかなります。
しかし、自覚症状があっても、経済的な問題、あるいは仕事が忙しいと言って、治療を受けない、あるいは通院されない方がいらっしゃいます。そうなると、我々の手の届かない状態、新生血管緑内障を合併して、失明に近い状態になる人を何人か見てきました。特に、景気が悪くなるとそのような人が増える気がします。
単純糖尿病網膜症
網膜症の初期は、眼底に毛細血管瘤や点状出血が起こります。これは、網膜血管が硬くなり、血管から漏出したりすることによりおこります。
この状態は、糖尿病のコントロールさえよくなれば、消失します。
前増殖糖尿病網膜症
問題になるのは、前増殖期です。これは、硬性白斑だけでなく、柔らかいな軟性白斑が出現し、血管が数珠状になったり、無血管野(血管が詰まって流れていない網膜)が出現すると要注意です。この状況で直ちに汎網膜光凝固術を開始いたします。
蛍光眼底撮影で、無血管野を確認して、片眼500発から1000発に豆まき光凝固を黄斑部以外のところに周辺まで焼きます。
一度で焼くと眼に対する侵襲が強いので、2回以上に分けて焼きます。これをやってあるか否かによって最終的な予後が決まります。
私の経験では、この時期に、きちんとPRP(汎網膜光凝固)がやってあれば失明することは、まずありません。
増殖糖尿病網膜症
新生血管ができると、血管が切れて、硝子体出血や網膜前出血ををおこし急に見えなくなることがあります。
以前は、この後、失明する人多かったのですが、現在では硝子体手術によって、かなりひどい状態でも治すことが可能になりました。私が大学に入った30年前は、硝子体手術はまだ、完成しておらず、うまくいかない場合がかなりあったのですが、その後、急速に手術のやり方が完成して、増殖糖尿病網膜症の硝子体治療後、眼底だけ診ると、完全に治ったように錯覚するぐらいきれいになりました。
眼科の手術の進歩は凄いものがあります。硝子体手術をする場合、PRPが施行してあるとかなりの割合で、眼底を鎮める事ができます。つまり、失明しないのです。
PRPがしてない場合は、手術中にPRPを完成させますが、ある一定の割合で新生血管緑内障になることがあるようです。
大切なこと
一番大切なことは、糖尿病があったら、必ず定期的に眼底検査を受けることと、眼科医にPRPを勧められたら、必ずやるべきです。