今回は中心固視自動追尾装置システムについてお話します。皆さん、手術中にちゃんと指標を見つづけることができるかと心配なさると思います。もし、眼が横を向いたら、レーザーが異なるところにあたってしまうのではないか。そのために、度数が合わなくなるのではないか思っていませんか。もちろん、熟練の術者が行いますので、問題はありませんが。追尾装置の有無により、どの程度固視が違うかを実験しますと、人の手で制御する場合は多少のずれはどうしてもでてきます

 一方、追尾装置はCCDカメラを用い、60Hzの速さで最小移動検出距離4、追従速度18mm/秒と非常に高速に追従し、一定の範囲を超える動きに対してはレーザーが照射されません。VISX STAR S4IRの追尾装置は以下の特徴を持っています。

1.アイリスレジストレーション(IR)
「アイリスレジストレーション」の目的は、ウェイブスキャンで測定、解析したデータと目の位置のズレを補正し、正確なレーザー照射に導くことです。
ウェイブスキャンで光のゆがみを測定した時に虹彩(黒目の部分)の模様と一緒にデータを保存し、「ビジックススターS4 IR」でレーザーを照射するときに再度、虹彩の模様を認識してデータと目の位置を合わせます。

 手術前の検査は座った状態でおこないますが、実際の手術中は仰向けになり ます。その姿勢の違いで眼球の位置が平均で約2.2度 回転 (回旋)ずれてしまいます。また、検査時は収差の測定の為に照明を暗くしているので瞳孔が大きくなりますが、手術中は明るいレーザーの光が目に当たるので、瞳孔が小さくなります。瞳孔の大きさが変化すると、瞳孔の中心もずれてしまうことがあります。いくら精密な術前検査をおこなっていても、これらの環境の違いによってレーザーの照射位置がわずかにずれてしまった場合、逆に手術後に高次収差が増加してしまいます。iLASIK(アイレーシック)はふつうの乱視だけではなく不正乱視も矯正するようにプログラムされていますので、正確に目標どおりの矯正をおこなうためにはレーザーの照射位置や角度はもっとも重要です。

2.VSS (Variable Spot Scanning)機能
「VSS (Variable Spot Scanning)機能」の目的は、ウェイブスキャンの3Dデータに基づき無駄のないレーザー照射に導くことです。
ビジックススターS4 IRのレーザーの照射間隔、レーザースポットの直径を適切に変化させることにより、レーザー照射時間を最短にし、角膜の切除量は最小限に抑えることが可能となります。

3.VRR (Variable Repetition Rate)機能
「VRR (Variable Repetition Rate)機能」により、ビジックススターS4 IRのレーザー照射はAMO社独自のレーザーパルス配分アルゴリズムにより、照射速度を6Hzから20Hzに変化します。これにより、レーザー照射中の角膜の温度の上昇が抑制されます。

4.3Dアクティブトラッキング機能
「3Dアクティブトラッキング機能」は、手術中の眼球の動きをX軸(横軸)、Y軸(縦軸)Z軸(垂直方向の軸)を使って追尾します。
この技術はもともとは軍事用に開発された技術で、戦闘機のミサイルが、発射の時にロックオンして発射されると攻撃対象をどこまでも追いかけていくのと同じシステムです。
また、目がモニターに映し出される範囲から外れた場合は、自動的にレーザー照射が止まるセイフティ機能が働くので安全性が高いです。
3Dアクティブトラッキング機能により、手術の精度が向上します。