皆さんも検診で眼底写真を撮ったことがあると思います。
そこで、何がわかると思いますか?
通常は無散瞳カメラでとられたものをみます。
眼科医が何をみるか?
眼科医が何を見るかというと、まず、視神経です。視神経が蒼白か、赤くなっているか?カッピングと呼ばれる視神経の直径に対して陥凹がどの程度あるかをみます。陥凹が60~70%の範囲にあると、緑内障ではないかと疑います。また、視神経からでている血管がその陥凹からスーッとでていれば浅いものだとわかりますし、よっこいしょとマタイでいると深い陥凹だとわかります。
緑内障のほとんどは眼底写真でみつかるといってよいでしょう。ですから、40歳以上は1年に1回は眼底写真をとるべきです。
黄斑と網膜
次に注目するのは黄斑部と呼ばれる、視力の出る中央の網膜に中心に反射があるかどうかをみます。これがあれば、視力はいいと判断できます。また、黄斑の色が赤くないか(黄斑円孔)、段差があるようにみえないかどうかをみます。また、黄斑網膜に皺がないか(黄斑上膜)どうか、血管が詰まって、出血していないか(網膜静脈閉塞症)、白っぽくなっていないか(網膜中心動脈分枝閉塞症)どうか、眼底写真では中央30度ぐらいしか見えませんが、ここに、写真でわかるような所見がなければ、通常はほとんど大丈夫です。
糖尿病網膜症
次に、毛細血管瘤がないかどうか、点状出血、硬い白斑、柔らかい綿花様白斑などないかどうか(糖尿病網膜症)、などいろいろあります。
視力が悪くなるのは、黄斑部に異常がある場合で、例え、右半分が見えていなくても、両眼でみていますと、本人の自覚はありません。
Scheie分類
あと、血管が動脈と静脈の太さの比は2:3以上に動脈が細くなっていないかどうか、高血圧や動脈硬化の一つの所見にはなります。
しかし、よほどひどい場合を除いてScheieの分類、高血圧性所見(H)、動脈硬化所見(S)はあまり意味がありません。
もちろん、左右差がある場合は要注意です。眼底を見るだけで全身の問題がわかることはいくらでもあります。
内科医が眼底写真をチエックする検診
しかし、最近、眼底写真を内科の先生が見ることが多くなってきました。
眼底写真ぐらい内科医でもみれるということでしょう。でも、我々眼科医は毎日毎日、100眼以上の眼底を見て、治療をしてきているのです。
レントゲン写真を放射線科の医師と眼科医どちらがよく見れるかと同じです。
同じCuppingをみても、近視の陥凹か緑内障の陥凹かを見分けることは非常に難しいことです。眼科医であれば、こんな間違いはしないと思うような検診結果がまわされてきます。これも医療費の無駄ではないでしょうか?
メタボ検診
政府の方針で、これまで40歳以上で撮られていた眼底写真が撮られなくなって、どうでもいいような、メタボ検診が行われています。海外から見たら、何を無駄なことをやっていると思われるでしょう。これも、内科の先生の力が強いからでしょうか?