屈折矯正手術において、本当に大切なことは何かについてお話しましょう。手術件数を誇るクリニックがあります。勿論、手術の技量はある程度数をこなすことにより、技量が上がるのは事実です。しかし、美容系の場合、一人の人が手術を全てこなすのではなく、フェムトセカンドレーザーは誰、エキシマレーザーの照射は誰、診察は誰と言う感じで、完全な分業体制です。責任の所在がどこにあるかわかりません。本来は一人の先生が、説明、診察、手術、術後検診全てやるべきです。手術も初めから最後までやるべきです。そうでない場合、安心して大事な眼の手術をまかせられますか?

 この手術は基本的に、すべての手術を器械が行います。人の技量が入る余地は限られています。では、何が一番大切かというと、いかに正確に度数を決めて、その人にあった度数に設定するかということです。初めてその施設に行き、一度の検査で度数を決めて手術をする。ナンセンスです。ハードコンタクトレンズであれば3週間はずさないと本当の角膜の形に戻りません。ソフトコンタクトレンズでも2週間ははずさなくてはなりません。また、近視の人は大抵、調節緊張といって、実際より強い近視になっています。そのまま手術をすると遠視になります。でも若くて調節力のある人は遠視になっても水晶体が調節をするのでよくみえます。というよりは、遠視の方が2.0と言う視力がでやすくなります。ここで大切なことは、遠くを見たときに遠くのものが、網膜上に像を結んでいるかどうかです。全く調節しなくてピントガ合っていたら正視です。遠視の場合、網膜より後ろに像がありますが、水晶体を厚くすることにより網膜上にピントを合わせることができます。でも、人により疲れることがありますし、歳を取ると、遠くも近くも見えなくなります。若くても調節力の弱い人もいます。ですから、まともな施設であれば、調節麻痺剤を使って、度数が変化するかどうか決めます。同じ2.0でも正視の2.0は疲れませんが、遠視の2.0は疲れます。40歳以上の方で老眼があるばあい、正視にするより、少し、近視を残したり、あるいはモノビジョンといって、片眼を正視、片眼を少し近視にする方法もあります。ようは、その人の年齢、生活様式、仕事によって度数を決める。それが、眼科医にとって一番大切なことなのです。

 当院の場合、説明会で1回、カウンセリングで1回、術前検査で1回、手術当日に1回と4回の視力チエックと調節麻痺剤の見え方を調べます。また、手術をやってはいけない角膜の状態があります。円錐角膜と言う恐ろしい病気が隠れていないかどうかは、角膜トポグラフィーという角膜の形を測定する器械を3種類使用して、問題がないことを確認します。また、説明会で説明し、適応検査で説明し、術前検査で説明しというように3回の説明をこれでもかと言う感じでお話します。それ以外に将来白内障の手術をすることも考えて、白内障手術の時の眼内レンズの度数がきちんと測定できるように眼軸長(眼の大きさ)も測定します。術後は1日、1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年と無料で検診を行い、それ以降も保険診療で1年に1回の検診をお願いしております。もちろん、緑内障、白内障、網膜硝子体疾患、アレルギー性結膜炎など、全ての眼疾患に対しても保険診療ができます。これが、屈折矯正手術をやる場合でも最低限必要と考えています。

 その方の目を一生見守ると言う姿勢は口先だけではいけません。そのために、医療法人として、私が引退した後も、別の方が後を引き継いで診療をしてもらうと言う考えが必要です。そこまで必要だと思われませんか?私どもの施設は大事な自分の目をしっかりフォローしてくれるから、このクリニックを選ぶと言う方々に来て頂きたいと思いますし、そのような方がいらっしぃます。