色んなスレ纏めのYouTubeの読み上げで、キラのカガリの「弟君」が見た限り全て「おとうとぎみ」じゃなくて「おとうとくん」になってるのがなんとも。(ユウナかよ)

 

 

その一言に、アスランは目を眇めた。

「僕の領空侵犯は、表向きはファウンデーションのジャミング、フリーダムのコントロール系統を混乱させられた為と発表された」

だがそれはあくまでも対外的なものであって、ターミナル内部ではキラが実際に精神汚染されたという事実を知っている者も多い。

「ある程度時間が経って、表に出てくる僕の情報はごく普通でまともなものばかり。だから幼い頃から僕を知っている君に、実際はどうなのか調べて来いってところかな」

現実的な問題として、キラがおかしくなったら世界に与える影響が大きすぎる。

「お前…」

「で、僕が復帰した直後でなく、今になってカガリが送り出したのは…君がそういう風に誘導したのかな」

自然な流れでミレニアムに来られるように。

淡々と語るキラに、アスランは思わず「これは誰だ」などというある意味失礼な事を考えてしまった。

ラクスとカガリの教育、恐るべし。

それを短期間で吸収するキラも怖い。

それを聞いてルナマリアもまたハッとした。

そうだ、今更だ。

ただ面白がっていただけなら、あの妹はもっと早くにカガリにばらしていたに違いない。という事はつまり、キラが言った通りなのだろうか。

その辺はメイリンにきちんと聞いておこう。

「そういう事情なら、君が内密にしようと思ったのも納得出来るんだよね」

キラの精神状態を調べる為なら、事前連絡はしない方が都合いいだろう。この時だけでも取り繕う余裕がなくなるから。

その後は経過を逐一報告、と言ったところか。

「こういう事、ラクスには言いにくいだろうし。ラクスに言わない事をコノエ艦長にも言えないだろうし」

ここまで来て、アスランは白旗を上げた。

「全部が全部、とは言わないが、概ねその通りだ」

「で、昨日の僕の態度、もう報告した?」

「---いや、あれは流石に」

「うん?」

「俺のやり方が悪かったのは確かだからな」

シンに言われた事だ。

ああいう風なキラは初めて見た。

自分がターミナル所属なのを知った上で、いきなり現れてあんな事を言われたら、ラクスやカガリの薫陶を受けた後のキラなら多少なりとも警戒するのは仕方ない。

「まぁ、ターミナルの任務ならそんな言える訳ないよね」

とりあえず、なんとなく落ち着いて終わりそうだ。

「僕は取り繕うつもりなんてないし、君にそんな事したって多分バレるとも思うから、ありのままを報告してくれていいよ」

キラはユルフワと笑った。

その笑顔が少し怖いと思ってしまったのは、この場にいた全員だろう。

 

 

キラのチート化が進む。