昨日行って来ました。
…シンルナだった。いらない訳ではないが、キララク欲しいが100%だとすると、10%もないんだ。
勇気振り絞って近くに座ってた人に話しかけた。交換とはいかずとも、裏を読ませてもらえれば、みたいに。その人もシンルナだった。
その人は「アスカガ欲しいから、明日また見に来る」と言いましたーーーすげぇ。
でも思った以上に短文で、本当に「直後」だった。
”う~ん。思った以上に手強い”
リミは気付かれない程度に苦笑した。
「ラクスの言葉には力がある、世界の人に届く」
「う、うん。そうだね」
突然、話が切り替わってキラは瞬きした。他の三人も不思議そうな顔になっている。ヒルダだけは少しばかり満足げなようにも見えるが。
「でもね、私はキラの言葉についてきたの」
「え…?僕、そんな風なこと言ったっけ?」
「そうね。キラにとっては何気ない言葉だったのかも。でも、だからそれがキラの本心だって思うし、何よりそれが何であれキラが何かを欲しいと思えるようになったのが嬉しかった」
「僕が欲しがった…」
「そう。キラがストライクフリーダムを受領した時の事」
「焦らさないでよ、リミ」
「ラクスに言ったでしょう?みんなが手を取り合って笑える世界をって」
「----うん。言った…ラクス、リミにも伝えてたんだ」
「ラクスもね、喜んでたよ。やっとキラが自分の意志で欲しいものを言ってくれたって」
それはある意味、とても大それたものだけれど。
そう言う事か、とシン達も得心が行く。
確かに大それた理想かもしれない。でもそれが、今、コンパスやオーブ、そしていろんな思惑があるだろうとはいえ、コンパス参加理事国が求めているものだ。
「多分、カガリにも言ってると思う。世界なんて一気に変わるものじゃないけど、『みんな』の輪が少しずつ広がれば…
何時かはって思う」
かつて敵同士だった者たちが協力し合っているこのコンパスのように。
「そう、だね」
漸くキラも、世界は少しずつでも平和に向かっていることを受け入れてくれたようだ。
この「小康状態」を少しでも長く続けていければ、そうしている間に人々が戦争がなかった頃の事を思い出してくれれば。
「あの、リミさん」
「ん?」
リミがあの時の事を引き合いに出して話しているのならば、せっかくだからこれも訊いておこうと、シンが口を挟んだ。
彼女なら、きっとあの時のキラの言葉を否定してくれる筈。
キラのことをアスランと同じ位理解し、絶対的にキラの味方であると、短い付き合いながら解るリミならば。
「リミさんがデスティニープランについて、どう考えてるか聞きたい」
あの時キラが「自分が間違っているからなのか」と言ったのは、オルフェの演説も相まって、恐らくデスティニープランを否定した事についてだろうと、シンは考えていた。
こういう話をする事はそうそうないから、今しかないと。
「デスティニープラン、ねぇ。実際に導入されてたら説明ももっとあったかもしれないけど、私が知る限りの事から言わせて貰えれば、ガッバガバの欠陥プランね」
訊かれたリミは、肩を竦めながらそう言った。
広げ過ぎだ、自分。