さて、来週…最終公開週はどうするかな…。
キラカガ誕に行くべきか。
キラもまた、信じられないという表情になった。
「誤解しないでね。アスラン自身がどうって事じゃないの」「じゃ、何で」
「----あの戦争の発端はブレイク・ザ・ワールド。起こしたのはユニウス遺族のザラ派」
端的に語られたそれに、キラが息をのむ。
「アスラン自身、というか…誰にもどうにもできない事よね。彼がパトリック・ザラの子どもだって事は」
「それはつまり、アスラン『が』危険だったって事?」
「そうね。あのタイミングで表向きは姿を消してた筈のアスランがザフトに復帰したんですもの。利用しよう、あわよくばザラ派の旗頭にしようって考える連中はきっと少なくなかった筈」
語られるそれに、今の今までそういう考えをしたことがなかったシンとルナマリアは瞠目した。
前大戦を終結に導いた英雄。
最強のパイロット。
彼らの視点はそれだけだった。
「なのに、アスラン本人がそういうこと全く考えてなかったのが解った時は、脱力したわよ!」
が、続いたそれに、二人して遠い目になった。
当の本人がそれなら、自分たちが考え付かなくてもおかしくはないだろう。
「で、それに対する責任者が一応昔からの知り合いだった私だったの」
「そっか。ある意味、ターミナルがアスランを守ってた訳だ」
「まぁ、そうは言ってもミネルバはデュランダル元議長の肝いりだったから、そうそうザラ派が入り込めなかったみたいで、杞憂に終わってよかったわ」
「ありがとう、リミ。やっぱりリミもアスランの事心配してるんだね」
おっとり言われて、リミは渋い表情になった。
「リミ?」
「…アスランに何かあったら、キラが悲しむじゃない」
むっつりと言ったリミに、キラはちらりとシンを見た。なんだかアスランへの感情が似てるなぁ、と。
まぁ、シンほど拗れてはいないけれど。
「とにかく、これで納得してくれた?」
全員が「是」と頷く。
「後、この際だから私からも聞きたい事があるんだけど、いい?」
「え?」
「コンパス隊員、部下としてじゃなく、友人として」
真剣に見つめられて、キラは唾を飲み込んだ。
けれど、リミが自分に悪いような事をする筈がないという、絶対の信頼。
二人の時でなく、わざわざここで切り出した事にも意味があるのだろう。
「うん、いいよ」
「じゃ、遠慮なく。キラ、本当に世界は何も変わってないと思ってる?」
いきなりの重い質問。
なるほど、あの場での事に連なるからシンとヒルダもいるここで聞いたのか。
「…そうだね。今は小康状態って感じで、根本的には変わってない、と思う」
「そこじゃないのよね」
「リミ?」
質問に対する答えがずれている、という事か?
「世界は変わってるわよ。その最も解りやすい場所が、ここでしょ」
「ここ…コンパス?」
「ええ、そう」
腑に落ちない、という顔を…キラだけではなく全員がしているのに気づいて、リミは逆に「?」となった。