漸くGWが終わ終わったーーー(喜)
「少なくとも、隊長がハインライン大尉に捕まってる時間は減りましたよ」
本来、あれは絶対にパイロットの仕事ではない。
確かに自分の機体の調整・整備はある程度自分でやるものではあるが、あそこまで事細かにやる人間はいない。
まして、いくら隊長とはいえ、他の隊員の分まで、なんて。
「そうねぇ。逆にアルにはちょっと文句言われたわ」
「----アルっ?」
ルナマリアもまた、驚愕の声を上げる。
「ハインライン大尉を愛称で呼んでるんですか!?」
つい先刻の自分と似たような反応に、シンは苦笑いした。
「まぁ、一応3年くらいの付き合いがあるしね」
ルナマリアが『知っているのか?』という視線を向けてきたので、『先刻知った』と頷いた。
目線だけで会話ができるこの二人も、相当なものだ。
「ていうか、敬語いらないって」
「解…ったわ」
「ふふ。シンと一緒で素直でよろしい」
キラと似てはいるけれど、リミの方がもう少しだけお姉さん的な感じがする。
「そ、そう言えば、文句って?」
「仕事がよりスムーズに進むようになって、キラと一緒の時間が減ったって。キラの負担が減るのはいい事だけれど、それが少しばかり不満だって」
ほんと、あの人たらしは、もー。
リミは何処か誇らしげだ。
ああ、これ、覚えがある。
キラ、アスラン、ラクス、そしてカガリは自分たち以外の誰かが褒められたりすると、我が事のように喜ぶのだ。勿論、ダメな事はダメだとも言うのだけれど。
「さて、そろそろ時間だから行くね」
彼女の休憩時間は終わりだという事だろう。
リミが出て行った後で、ルナマリアがそう言えば、と呟いた。
「なんであの人、ミネルバでのアスランのこと知ってるのかしら?」
「メイリンから聞いたんじゃないか?」
「でもあの子、脱走するまではアスランとはそんなに接点なかった筈よ」
『脱走』という単語に、シンがややきまり悪そうな顔になる。
「もう、シン。二人ともがもう気にしてないって言ってるのに。姉の私も気にしてないんだから、いい加減あんたも割り切りなさいよ」
そういう所も好きだけど、あんまりシンが気にしていると、かえってあの二人も気にするだろうし。
それはそれとして、また機会があったらこの事も聞いてみようと決める。
”う~ん。やっぱりイメージわっる”
自分に与えられたのは、改修されたギャンシュトローム。
キラを止めるとは言っても、最早必要などない追撃をした挙句、ファウンデーションに寝返り、ルナマリアに連れ帰られてきたアグネス・ギーベンラートなる赤服が乗っていたという機体。
驚くべきことに、それでもキラとラクスは口添えをしようとしたらしいが、その時の二人はそれぞれ自分自身の問題があった為に、発言権はないと言ってもいい状態だった。
ゆえに、彼女は今、コンパスにはいない。
戻ってくるかどうかは未知数だが。
「どうしたんだい、渋い顔して」
後ろから抱き着かれて、リミは肩を跳ね上げた。